アノ子の味方はアタシの敵-2
「相生さんって、そんな悪い子なのかな? 地味だけどピュアで優しくて、ほんとにいい子だと思うけど。可愛いし、西永くんが普通に好きになっただけじゃないの?」
みさきと同じA組の水沢恵美は、そうやってあくまで彼女を擁護した。
瑞華は苛立ちのあまり、「敵の味方は敵」と言わんばかりに、恵美を水泳部室に連れ込み、みさきと同様の制裁の対象にした。
「ちょっと、何するのよ、瑞華、朝菜……!」
取り押さえられ、下着姿に剥かれて狼狽える恵美。今まで瑞華たちはずっと友達だったのだから、なおさらのことだ。
「あの子を庇うなら、あんたも同罪ってこと。同じ目に遭うがいいのよ」
そう言って、恵美の水色のブラジャーもショーツも剥ぎ取った。
同じ目に―つまり、みさきがすでに瑞華たちからこのような仕打ちを受けていることも、恵美は知らされる。一緒におしゃれのことを楽しく語ってきた瑞華がこんな恐ろしいことをするヤンデレ女だということも、今の今まで知らないできた。
「絶対おかしいよ、こんなの!」
勝気な恵美は全裸にされても抵抗も抗議をやめないが、それがさらに瑞華の苛立ちを募らせる。
「あの女と同じにしてやる」
瑞華はそう言って、恵美の下腹部の茂みに粘着テープを貼りつけた。
「な、何するの……?」
ようやくにして怯えの表情を見せ始めた恵美の顔を見て、瑞華は口にもテープを貼って言葉を封じた。その上で、陰部に貼られたテープを勢いよく引き剥がす。
べりべりべりっ!
15歳の若草が根元から毟られ、激しい痛みと衝撃が女の子の大事な部分を襲う。口にテープを貼られた上に朝菜に押さえられ、絶叫することも許されない。
「あぐぅぅぅ……」
恵美は苦悶の声を、ただくぐもらせるばかりだ。
「あの娘は、最初からツルツルだったけどね」
これは嘘なのだが、確かにお飾り程度にしか生えていなかったみさきと違って、恵美の陰毛は濃くはないもののかなり生え揃っていたから、パイパンに至るまでこの作業は回数を要した。
その分だけ痛さも、また無毛にされる辱めも増す。
最後のひと剥がしの時には、衝撃のあまりもう少しで失禁するところだった。
中学に入ってからの2年半弱の成長を否定されるかのように、完全にツルツルになった秘裂があらわれた時には、恵美とてほとんど心折れていた。
「わかった? 二度とあの女のことを庇うんじゃない」
そして、この有様をスマホで撮られ、それを脅しに、恵美はみさきを制裁する仲間に加わることを強制された。
これが墓穴に繋がることだとは、このときの瑞華は思いもしなかっただろう。
瑞華の苛立ちは、これぐらいでは収まらない。いよいよ、みさきへの復讐を、もっと苛烈にしたくなってくる。
とはいっても今の状況ではなおさら、みんなの前で恥ずかしい恰好をさせるといった、表立ってのいじめはやりにくい。今までさんざん脅しに使ってきたとはいえ、裸写真を拡散させるようなことも実行したら墓穴を掘りかねない。もともとテニスのスポーツ推薦での高校進学を狙っている瑞華としては、実は事が表沙汰になるのは結構気にしていた。疑惑がかかるだけでもまずい。今まで通り、密室で進めるしかない。
では、何をするか。おしゃれ好きの瑞華は中学生ながら化粧もお手の物。その腕で、あの可愛らしい顔に徹底的に醜くメイクして化け物みたいな姿にしてやるか。瑞華はダンスも得意で、時々朝菜たちとも踊っているが、それに裸で加わらせて振り付け指導まであわせて辱めてやるか。自慰を強制して動画に撮って、清純派の仮面を完全に叩き壊してやるか。いや、まずはこっちから手マンで弄りまくってイかせてやってからにするか。長いスカートを履かせて茶巾蒸しにし、何も見えなくしてから下半身を徹底的に弄ってやるか。また陰毛が生えてきたら、次はライターで焙って焼いてやるか。今度こそガチで異物を突っ込んで、処女を奪ってやるか。前と同じ傘じゃ面白くないから、何にするか。箒か。野菜でも入れてやるか。キュウリか。人参か。ネギか。唐辛子でも突っ込んでやるか。いっそのこと、男にヤらせるか。それなら誰にするか。いや、それで孕ませたらひと騒ぎになりそうだから、やっぱりやめたほうがいいのか(そこまでやるのはみさきが可哀想だからだとは、全く思っていない)。
いろいろとプランは浮かんでくる。だがそうした仕打ちより前に、どうしてもやっておかないと気が済まないことがあった。
みさきに浩介の前で恥ずかしい姿を晒させ、その恰好のまま彼の気持ちを弄んだことを謝罪させることだ。
本当はもっと多くの浩介ファンの女子を集めて、その前で公開謝罪させたかった。前からそれを考えていたのだが、今のままでは難しい。だからともかくもみさきに浩介の前で罪を認めさせることだけはしておきたい。
それに、あんな女とも言い難いような子供っぽいカラダを見れば、浩介もさすがに幻滅するだろう。何を間違えたのかは知らないが、あの女の誘惑に乗ってしまったことを後悔するに違いない。そのうえで、瑞華自身の大人の魅力を彼にアピールするチャンスかもしれない……。
瑞華は、そこまで算段を立てていた。