僕と甥、ふたりの夜-2
「18号」……それはひで嗣のチンポが「18号の指輪がぴったりハマるサイズ」だという自嘲から来ている。
18号は指輪としては大きなサイズだが、女性の指ほどしかないチンポ……要するに18号は、オナニーほどの刺激しか与えられないのだ。
ひで嗣は18号が恥ずかしいこともあって風俗にも行けず……まだ童貞であった。
(お、この動画いいな。これでラストにするか。)
それは大きなチンポを口元に突きつけられた女性が、女性が口に含んでいたタバコの煙でチンポをおおいながらフェラチオをするものであった。
(僕も……こんなふうに煙で冒涜されながら、フェラチオしてもらいたい……)
いよいよ18号が絶頂に達しようとしたとき、
「ひで嗣サン……」と呼ばれた。
見ると、月春がひで嗣のベッドの脇に立っていた。
ひで嗣が18号をつまんだ指もそのままに茫然としていると、月春は やにわに18号に唇を寄せ、舌でその先を撫でた。
ひで嗣は浮遊感に包まれた。月春はじわじわと舌で18号を包むと、唇ではさみこんだ。
(つ、月春くん……)その呼びかけは声にならなかった。
月春の口の粘りは、強く18号を締めあげる。
ひで嗣は、他人に性の快感を与えられたのは初めてだった。いや、他人ではない。自分が成長を見つめてきた間近な家族だ……。
そして、ひで嗣は月春の舌づかいに記憶があった。
幼い月春とおやつを食べていて、ひで嗣がふざけて生クリームやジャムを指につけて舐めさせた時の舌づかい。
月春が同じ舌づかいで、ひで嗣のチンポをなめている……。
ひで嗣はチラリと下半身に目をやった。
18号をくわえている、まだ幼いころの横顔をみせる月春。その横顔を見たひで嗣は18号の先端に熱を感じたかと思うと、月春の口の中に精液を放っていた。
月春がそれを飲み込む喉の動きが、18号に新たな興奮をもたらしていた。
「ごめん……月春クン……」ひで嗣が言った。「変なのお口に出しちゃった……」
「大丈夫ッスよ。」月春はベッドに上がってきた。「慣れてるッスから。」
「慣れてる、って……?」
「あ、学校の寮でみんなチンポなめ合ってるんスよ。」
「へー……」
「みんなホントはオンナ好きなんッスけど、寮じゃオンナとオトコは峻別(しゅんべつ)されてるッスから、オトコ同士で性欲発散しちゃうんッスよ。」
「なるほど……」
「はじめは先輩が舐めてくれるんッス。それで気持ちいいのを覚えたところで……」
「立場変わるんだね。」
「そうなんス。もう先輩に舐めてもらってるから、断るわけにもいかないし……でも正直、イヤじゃないッスね。」