下半身借りられました-1
「ねぇねぇ、タケくーん。」
ウチが間近にせまって、何事もなしに帰れると思ってた僕の背後から、マエ姐(ねえ)が抱きついてきた。
「ど、どうしたの……」僕をズリズリと脇の道に追い立てるマエ姐は、あたりにひとがいないのを確かめてささやいた。
「また、珍珍かして。」
「いま?」
「いまじゃない、こんどの休みくらいに。
だからタケくん、こんどの休みに予定たてないで。」
「うん……(まあ、何の予定もなかったけど)」
「それに……」マエ姐は背後から一段と強くギュッと抱きついた。マエ姐の柔らかい乳房が僕の背中で広がる。「相手、私じゃないし。」
「そうなの……」
「じゃあ、また詳しいこと決まったら連絡するから。」
マエ姐は僕から離れた。僕は時々振り返って手をふるマエ姐を見送った。
(あんな姿見てると、純情で可愛いお姉さんなんだけどなぁ……)
マエ姐は僕が気づいた頃には、もう僕をエッチの実験台にしていた。
僕よりも、僕の珍珍をいじってるのはマエ姐かもしれない。
そして僕も、マエ姐のカラダでセックスの仕組みや手順を学んだ。
僕が六年生になって、珍珍から精液が出るようになるとマエ姐は「身内」の女の子たちを僕と引き合わせては、セックスの何たるかを学ばせる場をもうけるようになった。
(またこんどの休み、そんなことしなければならないのか……)
僕が重い足取りで家に帰ると、玄関の壁に取り付けた鏡か目についた。
そこに映る僕の顔はだらしなく笑ってた。
▽
その「こんどの休み」がやってきた。
僕は、マエ姐ん家のフローリングの居間で待機していた。
僕は床に置かれたエアーベッドの上に、全裸であお向けに寝ていた。
ベッドは部屋を仕切るカーテンのさかい目に置かれてる。僕の下半身は、僕から見えないカーテンの向こうにあった。
僕はマエ姐からタブレットを渡されていた。
画面にはライブで、僕の下半身のようすが映されている。
(なんだか……手術受けるみたいだな。)
天井近くに据えられてるらしいカメラに、カーテンからはみ出す下半身が映ってる。
珍珍のあたりにファンシーなタオルがかけられていた。
「入るわよー。」
マエ姐の声がした。僕が画面を見てると、マエ姐は僕の(画面から見て)手前側の足元に座って、手招きをした。