人妻の浮気心 (3)-5
シャンプーの香りをさせたYがベッドに潜り込んできた。
「何してるの?」
「旦那にメール」
「大丈夫だった?」
「大丈夫じゃないって言ったら?」
「大丈夫じゃなかったの?」
「知らない」
ぷいと後ろを向く。つんけんした態度をとったのはきっとつまらぬプライドのせい。さっきのセックスは勢いでしてしまっただけ。もうあんなことにはならないから。現にほら、今の私は一度脱がされたショーツもタイツも穿き直し身を固めている。もう今日は約束通りベッドとソファで、お互い離れて寝ましょう。
ちょっと。髪を撫でてこないで、手を握ってこないで。後ろから抱きしめてこないで。前を向かせて見つめてこないで。ああもう。
夫とメッセージのやり取りをしているときでさえ収まることのなかった子宮の熱い疼きが、一度冷えた心をまた暖かく溶かしていく。自分でもわかる。今の私はもう目を潤ませ、上目遣いで「女の顔」をしているに違いない。
Yの腕に抱かれキスをする。侵入してくる男の舌に、ゆきも遠慮がちに舌を絡めて応えてみた。夫は私が今、他の男性とこうしていることを知らないのだ。絶対にバレることはない。涙があふれる。
Yの手がゆきの背中、腰、尻へと伝って股間に伸びてきた。
「だめ。私シャワー浴びてないから……」
その場所は、汗と性液でびしょ濡れのままろくに拭きもせずショーツとタイツの中でむんむんに蒸れているはず。きっとひどい匂いをさせているはずの人妻の股間をYは構わず刺激し、あろうことか顔を埋め、押し付けてきた。
「だめぇえええ! ぁあん! ねぇ、ホントにだめ……!」
本気で嫌がりながらも、後輩男子が自らの股間にむしゃぶりつき興奮しているのがゆきには嬉しかった。身体の最も臭く汚い場所に吸い付かれ舐めあげられると、自分のすべてを肯定された気分になる。夫以外のゆきの過去の男たちは皆、こうしてくれた。
ゆきが感じているのをいいことに、Yは再びゆきのショーツを剥ぎ取り、クンニを開始した。
「あぁあぁああああ! 汚いから……ねぇ、だめぇぇええ!」
本当に恥ずかしいのに、いくら嫌がって見せても、過去ゆきを抱いた男たちと同じようにYは許してくれない。もうずっと忘れていたゆきの心のマゾヒスティックな部分が歓びに震え、彼女の身体を絶頂へと導いた。
「ぁっ! くぅぅううぁあああ! ぁ! っっっ! んん…………!」
腰をガクガク痙攣させているゆきの脚が大きく開かれ、Yのペニスが割って入ってくる。
「ぁあああ! ぁあん!」
年下の恋人は小さく「大丈夫? 痛くない?」と囁き、ゆきが頷くと奥までゆっくり陰茎を挿し入れた。立ちバックでは叶わない抱き合いながらのキスと挿入行為にゆきの脳は痺れ、身体は敏感に反応する。しきりにゆきの身体を気遣い、少しずつ抽送の速度を速めていくYの優しさも嬉しかった。どこか余裕のない夫のセックスでは決して望めない女の歓び。夫のものとさほどサイズの変わらないYのペニスだが、与えられる性的快楽のこの差はなんなのだ。
心の中で夫を貶したところで、この不倫が正当化されるわけではない。背徳感、罪悪感は膨らむばかり。なのにYへの想いが止まらない。Yのペニスが打ち付けられるたびに快楽が身体をかけめぐり、ゆきはまたオーガズムに達した。
「ぁあだめ……! ぁ! ぁあん! んんんぁあ! ぁああああ…………!」
深夜のラブホテルで、二人はいつ果てるともなく、男女の行為を楽しんだ。