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友達の母親は未亡人
【熟女/人妻 官能小説】

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初めての意識ーー秘め事の始まり-4

だが、何やら、苦しそうな顔をしている。体調が悪いのか…

そう思っていると、佳織の後ろに立っている男が何やら不審な動きをしていることに気づいた。
満員電車とはいえ、必要以上にぴったりとくっついているのだ。

(ーーーまさか)

「す、すみません」

人混みをかき分けて、なるべく佳織の側に近づこうとする。
色んな人に嫌そうな顔をされたが、別に構わなかった。

(嫌だ、嫌だ…!)

佳織の後ろに立つ男の真後ろまで近づいた時…

佳織のスカートが臀部のあたりまでめくれあがり、黒のストッキングに包まれた尻を男が撫で回すのを見た。
佳織の体は怯えて、震えてしまっている。

横に立っている女性は素知らぬ顔をし、また別の男性は、その光景をまるで楽しむかのように凝視してる。

(嫌だ…)

「てめ、何やってんだよ!!!」

悠斗の怒りは頂点に達したらしく、自分でも出したことの無いような大きな声を出して、一見真面目そうな、サラリーマン風の男の手を掴んだ。四十代半ばくらいだろうか。

ムカついた。

痴漢にはもちろん、自分自身にも、だ。

(ーー俺は、おばさんに乱暴しようとしてこんな辛そうな顔をさせてしまったのか…)

悠斗は鼻息を荒くさせ、痴漢に掴みかかろうとした。
その時、ちょうど電車が駅に着き、降りようとする人が出入口にいる佳織や悠斗たちに向かって流れ込んでくる。

「あっ、待てよ…!」

そのどさくさに紛れ、痴漢は逃げてしまった。
佳織と悠斗も、その停車駅のホームに体を押し出される。
悠斗は、佳織がどこかに行ってしまわないように何とか手を引っ張る。

電車が去った後、ホームで佳織の顔を見ると、震えて、ぽろぽろと泣いてしまっている。

「おばさん、捕まえられなくてごめん…」

「いいの…。怖くて、すごく恥ずかしくて、声も出せなくて…悠斗くんが来てくれなかったら…」

佳織はそう言うと、悠斗の胸に顔を埋めて泣いていた。

「今日はタクシーで帰ろう。電車乗るの嫌でしょ?ここからならそんなに料金もかからないだろうし…」

タクシーの中で、ほとんど二人は会話をしなかった。
ちらりと佳織を見やると、ずっと下を向き、体を震わせている。余程怖かったということが悠斗に伝わってきた。

(ーー同じことしたんだよな、俺)

オートロックのマンションに入り、本間家の前に着くと鍵はかかっていなかった。
どうやら岳が先に帰ってきていたらしい。
ドアを開けると、ちょうど風呂上がりの岳が、奥のリビングに続く廊下に立っている。

「母さん、ご飯出来てるよ… って悠斗も一緒だったの?どうしたの?」

「あ、あの…」

佳織が口を開こうとするのを遮って、

「電車一緒だったんだけど、体調悪そうだったから途中下車してタクシーで送ったんだ」

と、悠斗が代わりに答える。

「え?マジ?悠斗、ありがとう。
送ってくれたなんて悪いから、お茶くらい飲んでけよ。母さん大丈夫?」

「あたし…着替えてくる。悠斗くん、心配かけてごめんね。もう大丈夫だと思うから」

「大丈夫そうならよかった。岳、俺もメシの時間あるし、また今度寄るよ」

そう言い残して、悠斗は本間家を出る。
自宅で夕飯を食べ、風呂に入り、自室に入っても、悠斗はどこかうわの空だった。

あんな辛そうな顔をさせたことを後悔し、痴漢に腹を立てつつも…

臀部まで捲れ上がって露出した、ストッキングに包まれたあの脚を忘れられないでいた。
どこか、嫉妬さえしている。


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