初めての意識ーー秘め事の始まり-3
「悠斗くん、何言ってるの」
「「こんなの」で帰れないよ。当たってるのわかってるくせに。昨日のおばさんのせいだよ」
「ーーあ、やだ」
悠斗は佳織の尻を、レギンス越しに揉みしだく。
「おばさんのとこに、俺の当たっちゃうからやばいよ…」
そのことに気づいて、佳織は顔を真っ赤にした。
レギンス越しに自身の下半身と、熱くなった悠斗のそれがぴったりとくっついてしまっている。
「だ、だめ…」
「やだ、おばさんのお尻気持ちいいもん」
「んっ、んん…」
ぴくっ、と佳織が体を震わせる。
自身のそれに、悠斗のペニスが当たってしまっていること、加えて臀部を揉みしだかれているせいだ。
「おねが、い…。悠斗くん…乱暴しないで」
切なそうな顔で懇願され、そのことがさらに悠斗の興奮を煽る。
「乱暴したくないよ、だけど…あんな声聞いたら我慢できないよ」
悠斗は体を起こすと、半開きになった佳織の唇を自分の唇で塞いで、尻を撫で回す。
唇の隙間から、互いの吐息が漏れだしていやらしい。
「もう、やめて…だめだよ、こんなの」
何とかその唇を離し、佳織は首を横に振りながら懇願する。
「悠斗くんみたいな若い子に、こんな風にされて……どこか嫌じゃない気持ちはあるの。でも…まだ夫が忘れられないの。だから許して、お願い」
佳織はそう言うと、泣いてしまった。
悠斗に乱暴されかかったことだけではなく、まだ夫を忘れられず、悠斗とのことが夫への不義理になると思っているからだ。
「それに、岳ともまだ仲良くして欲しいし、うちでご飯も食べて欲しい。だからこんなのは良くない。
夫がいなくなって寂しいのに、悠斗くんに乱暴されたって思って、気まずくなったらもっと寂しくなる。ね?今日のこと、おばさん忘れるから」
「うん…」
悠斗は大人の対応をされたことに情けなく思いつつ、それでもなお、佳織の体を抱きしめ続けていた。
「今日は帰ろう?本当は体調悪くないんでしょ?」
「わかりました…」
「ふぅ…」
ガタンゴトン…
悠斗は仕事の帰りの電車の中で、吊革に捕まりながらため息をついた。
満員電車の中、スーツの上から羽織っている上着が暑苦しく感じられる。
ふと、電車の出入口あたりを見やると、佳織の横顔を見つける。
(そういえばおばさんも、同じ路線に職場があるんだっけ… )
あの出来事以来、約二週間ほど、悠斗は本間家に行くのを避けていた。
思わず、その綺麗な横顔に見とれていた…