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Queen Celes
【二次創作 官能小説】

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Perfume-7


―――――――どれだけの時間が過ぎただろうか。



「・・・・・少し喋り過ぎてしまったな。まぁ、他もゆっくり見ていってくれよ」


「ええ、こちらこそ。色々説明してもらって・・・・・」



ひとしきり“講釈”した後、管理人はおもむろに会話を打ち切り、対面直後からの無表情を変えないままにその場を離れた。

男の薔薇に関する話に、気づけば身を乗り出す形で聞き入っていたセリスは、管理人の後ろ姿を目で追いながら内心ほっとしていた。

見たところ初対面のセリスに対する視線や態度にも一見嫌らしさや“欲望”にまつわる変化も見受けられなかった。

一方で屋外の作業で鍛えられたであろう上半身の頑健さや、対照的な細やかな指が彼女の目蓋の下に残っている。


(・・・・いけない、いけない。変なことを考えてしまっては)


本来の目的とは違った寄り道だったことを思いだし、セリスは無意識にぶんぶんと顔を左右に振る。

気持ちを切り替えて、まだ見ていない区画に向けて歩を進めた。

といっても、大半の区画を見て回っていたセリスには僅か10数分で残りの区画も見終えた。もっとも管理人に説明を受けた青い薔薇以上の咲き具合を見いだせなかったこともあり、自然と立ち止まる場所が限られていたこともあったのだが。






(そう言えば、あそこは・・・・・)


薔薇園を去ろうとしていたセリスの頭の片隅に引っ掛かっていたこと。

薔薇園に入って最初に目にした小屋と、そこから出てきた貴婦人の姿。そして上気した頬と潤んだ瞳。

セリスが偶然“その場”を薔薇の植え込みから垣間見てしまった情景。

相手には気づかれなかったとはいえ、何かしらの“秘め事”が小屋の中であったのではないだろうか――――――――――――


様々な経験を積んだお陰で豊かになった想像力が、セリスの好奇心をかきたてる。
何かあったのか外から確認するくらい良いわよね。通りすがりならば―――――――――


自分の中で勝手に理由付けしながら、セリスは踵を返し小屋の方に向かっていた。

ここに来るまで管理人にも出くわしていない。仮に小屋に人がいたのなら、その時は通りすがりに引き返せば良いのだから、と。

気づけば薔薇園を散策していた人影もめっきりと減っていた。
そのこともセリスに「誰かに見咎められることはない」と周囲への警戒を緩める理由になっていたのだ。


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