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惨酷メカ:バーチャル・カプリコン、と芋掘りレジスタンス村娘(ケータイSF愚弄小説・18禁) ※第一部完結?※
【SF 官能小説】

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カルトゲリラ、狂気の論理とイデオロギー(第一章・完)-3

5
 カプリコンは大型ウォーカーで、試作品の高度なインターフェースシステムを搭載している。しかし少し旧式であることもあって、総合的なパワーが足りないという弱点があった。全長二十メートル近いくせに細身で軽量という外見の特徴からもわかるように、全長十五メートル前後のガバナー型(支配制圧歩兵)やプロメテウス型(イヌノフグリ・二足歩行戦車)と重さはあまり変わらず、パワー面ではいささか劣る。特に両腕にビーム兵器を固定で運用し、胸部機関砲の大量の装弾数を積載して、さらに腹部に大型武器や輸送コンテナを追加搭載する前提のイヌノフグリに比べれば、六割弱の総合的パワーしかない。
 初登場時に重武装大型ウォーカーのガラパゴスに勝てたのは、身軽さと人工知能コンピュータのお陰だったが、奇跡的な幸運だった。相手方のパイロットの練度も低く、見慣れない華麗な素早い動きで翻弄されていたし、あのガラパゴスからして廃棄された残骸とジャンク部品から組む直した劣化海賊版だから、オリジナルの正規品に比べれば数段劣る「こけおどし」だった。
 それゆえ、パワーアップが欲しい。
 今回の強化改修の目玉は、パワージェネレーターを最新式に取り替え、骨格を再整備と補強すること。それから左肩に対ウォーカーの多目的小型キャノンの取り付けや、着脱可能な樹脂の軽量アーマーのオプション追加、長物の近接武器の採用も検討中。
 これもゲリラ拠点相当作戦の報酬の一部ではあったが、「第二列までは出ていいが最前線には飛び出すな」とも釘を刺された。理由は女性というだけで好んで集中的に敵から狙われたり、それによって味方の男性パイロットたちがパニックを起こし、守ったりカバーしようとして慌てて事故を誘発するからだ。同じ人間でも、やはり男と女は違う。「女の本質は家畜やペットだが、男の本質は消耗品や鉄砲玉なのさ」、いつぞや口の悪い味方ベテラン兵士の誰かがそんなふうに言っていた。


6
 要塞都市からのテレビ配信番組では、鬼の鉄仮面をつけて武将風の服装の「日本鬼士」がローマ教会の武闘派聖戦エクソシスト騎士と歓談している。一般向け放送のお昼時ということもあって比較的におとなしい内容だったが、この二人はキャラのコミカルさもあってしばしばバラエティに登場している。
 こんな世の中では普通の人間より狂ったくらいの人間の方が役に立ったりするようだ。それも最低限の良識や分別があることが大前提ではあったが、こうして「味方側にも(敵に対抗できる)頼もしいキチガイがいるぞ!」アピールが人々を安心させ、敵を怖れさせている。

「サムライとナイト!」

 食卓の子供が無邪気に目を輝かせて画面を指さす。
 パトリシアとしては、それが「教育効果」や「希望」なのか「悪影響」なのか、にわかには断言しかねていた。

(私たちだって、他人のことなんて言えないか)

 チラとカプリコンを横目に見て思う。
 これからセラとジェネレーター交換後の二度目の試運転で、この友人ミレーユの幼い子供もコックピットに乗せてあげる約束をしているのだった。

(第一章・裏、完)


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