色んな後始末-4
「ええ。元々別の許婚がいたのに無理やり夫婦にされたのです。それに今回の事も、なに1つ聞かされぬまま屋敷から連れ出され、一歩も外に出して貰えなかったのですよ。恨みこそすれ愛情など有りませぬ」
お久音はきっぱりと言い切った。
「それならば、気兼ねなく荒利の身柄は預かります。でも、お久音様はこれからどうなさるのですか?」
人の良さそうなお久音の事が心配になった。
「丁度ようございます。荒利から預かっていた見下り半(離縁状の事)を、正式のものとして使いましょう」
「えっ?お久音様は離縁されてたのですか?」
竿之介は驚いた。
「それは形式上だと言われました。どうやら、荒利は逃亡する事態になった時の事を考えてたみたいです」
「どういう事でしょう?」
「万一、荒利が旅にでる事になったら開けよと、見下り半と共に、書き付けを預かっているのです」
「もしかして、それは…」
「ええ、多分、荒利が逃亡する事態に備えての事かと。足手まといの私を離縁した事にして、持ち出せぬ大量の隠金を守らせようとしたのでしょう。書付はいつも身近に置けとの指示なので、今も持ってまする。開けてみましょう」
お久音は傍らに置いた巾着袋から、油紙で包まれた書き付けを取り出すと、躊躇する事なく開いて目を通した。
「な、なんと!金三千両!」
「げげぇ!」
伝えたお久音も驚いたが、聞いた方はもっと驚いた。しかし、その表情は見る見る内に、喜びの色へと変化した。
三千両でなにが買える?三千両でなにができる?
親族揃って、その使い道を想像してウキウキしたが、一番の当事者には欲はなかった。
「荒利と共に、このお金は藩に返しましょう。さすれば、お満様のお家再興は叶いますよ」
お久音は元々無かったものとして、惜しげもなく提案した。
「そうしていただけるのですか!」
お満は一番の使い道に喜んだ。
「えっ?ぜ、全部ですか?藩には、これだけしかないって言って、半分だけ返しません?」
「莫迦!そんな事して、もしばれたら、今度はあたし達が上意討ちにされるのよ。お久音様のご厚意を素直にお受けするの!わかった?」
複雑な思考をしない分、お満の考えは的を射ていた。
「はい…」
竿之介は渋々頷いた。
「ところで、この赤玉はどういたしましょう?」
改めてお満の乳首を摘まみ、お早世の手のひらの上に浮かび上がった赤玉を指差した。
「食べなさい。美味しいから。はい、あーんして」
「あい♪あーん」
お早世の命令に、お久音は嬉しそうに従った。
「やだ、凄く美味しい」
「でしょう♪」
親族の女一同が頷いた。
「な、なんだか疼いてきたかも」
お久音は割れ目の中をゆっくりと擦り始めた。
「やれやれ、叔母上級の淫乱女がもう1人増えそうですね。ところで、お久音様は行くところはあるのですか?」
女体をくねらすお久音に竿之介は聞いた。
「さて、どうしましょう?」
お久音はなにも考えていなかった。
竿之介は、昨日までの自分達の境遇を思い返していた。
「お久音様、叔母上を慕ってるご様子ですが、ならば、荒利以外の男に抱かれる事に抵抗はありませぬか」
お久音は竿之介の肉棒を見て、にんまり微笑んだ。
「ええ。竿之介様となら歓迎ですよ」
「それは嬉しい、痛い!そうではなく、しばらくこの亀起道場で厄介になりませぬか」
お満に頭を叩かれながら、竿之介が提案した。その本心では、騒動が落ち着いて藩に戻るまで、お久音の女体も味わいたいと考えての事だった。
「我らが師匠の亀起瓶之真先生は、人柄が凄くいいのです。ただし、並外れた助平でして」
『そう、人格者なのですよ。それに、凄く素敵なおちんぽをなさってますのよ』
「まあ」
瓶之真の事がお気に入りの幽霊の姿も、赤玉を取り込んだお久音には、見聞きできるようになっていた。