魔女の降臨_3-1
倒れた女性のわきで沙和は震えながら何かつぶやいていた。
松井はただ沙和を抱きしめていた。沙和はおもむろに立ち上がると、松井をベッドに押し倒した。
スカートを脱ぎ捨て、パンティをむしり取ると松井のズボンを脱がしにかかった。ブリーフもろとも取り去ると松井の股間にむしゃぶりついた。
気が動転していた松井も、沙和の激しい口撃に激しい高ぶりを覚えてしまい。分身を硬くそびえたたせていた。
そびえたった分身に沙和はまたがりもう十分濡れていたくぼみをあてがい一気に降りて行った。激しく腰を振る沙和はとても十六歳の女の子とは思えなかった。
これでもかといわんばかりに腰を振り続けた。
隣には自分が殺した死体が横たわっていた。
それを横目で見ながら、沙和は腰を振り続けた。
松井はもう我慢できず、今日二度目だというのにさっきと負けず劣らずの大量のほとばしりを、沙和の中に浴びせていた。沙和の子宮は、女を殺したときに分泌したアドレナリンとたった今吸い取った松井の精子が融合するのを感じ取り、絶頂の先の真っ白い世界にいざなわれていた。
いくという感覚よりもっと高くもっと深い世界そう、ホワイトアウトの中にいた。
何も見えなかった何も聞こえなかった。
沙和はもう人間の世界にはいないんだと思った。気を失っていた。
気が付くと、隣で松井が優しく頭をなでてくれていた。
ベッドの横に転がっているはずの死体は、跡形もなかった。
「夢?」
何を確かめることも出来ぬまま、沙和は、また眠りに落ちていった。
沙和は、丸一日目覚めなかった。
目が覚めると自分の部屋でにいてベッドサイドに松井が座っていた。
頭がぼうっとして、昨日の記憶など何もなかった。
母親が風呂に入れたらしく髪も身体もきれいだった。
殺害の時浴びた返り血は、松井が自宅のシャワーで洗い流していた。
松井が頭をなでると、沙和はとてもうれしそうに笑った。まるで何事もなかったかのように。
このころから夜になると妄想が蘇ってきた。
松井はそのたび沙和を抱いて抑えているつもりだた。
事実、セックスの後は静かに眠れた。
しかしその繰り返しが、沙和の心をどんどん蝕んでいった。
嵐の夜、いつものように妄想が現れたので、松井は沙和を抱きしめて、一つになっていた。この頃は、普通の女の子のように、軽い絶頂で終わるおとなしいセックスが続いていたが、今日は違った。
初めのうちは普段通りだったが、次第に様子がおかしくなってきた。
おとなしく律動を受けてはいるのだが、突然子宮が暴走を始めた。
初めて人を殺めたあの日とと同じように隙間は波打ち子宮の奥からは強力な吸引が繰り返された、松井はひとたまりもなく、果てていた。大量の精子を、沙和の中にぶち巻いていた。
沙和はすぐ寝息を立てたので松井は安心して眠ってしまった。
松井が目を覚ますと沙和は隣にいなかった。
沙和は松井が眠ったのを確かめると、嵐の中家を抜け出し、ずぶ濡れになって歩いていた。
ひきつけられるように小さな小屋の前で立ち止まった。
小屋の中から女の子の泣く声が聞こえてきた。
覗いてみると、四歳くらいの女の子が雨宿りをしていた。
穂香と名乗る女の子は、お母さんが迎えに来るのを待っているという。
冷え切った体を沙和は温めてあげた。
髪を撫でていると、あの感覚が蘇ってきた。
沙和は、穂香の首を絞めていた。ぐったりした穂香を見ていると、体中にアドレナリンがたまっていくのを感じた。
気が付くと小屋の中にあった鎌や鋸が真っ赤な血にまみれて散乱していた。
沙和は、夢遊病者のように、どこをどう通って家に帰ったか覚えていなかった。
家に戻りずぶ濡れのまま部屋に入るとと松井が青い顔をして立っていた。
沙和は、あの日と同じように、松井をベッドに押し倒しロングティシャツを脱ぎ捨てるともう全裸であった。ズボンをブリーフごと剥ぎ取りるとあの時と同じように、むしゃぶりついていった。
松井はデジャブを見ているようだた。悪夢。
松井は沙和の勢いに吸い込まれるように、勃起させていた。硬くなった松井の分身は、沙和の最愛のパートナーだた。沙和は躊躇なくまたがり身を沈めると、一心不乱に腰を振った。このあいだはだただがむしゃらに振っただけだったが、今度の律動には緩急が付いていた。奥までゆっくり加えこんだかと思うと腰を回わしながららせん状に引き抜いていく。
抜けそうになると、浅瀬で子供が遊ぶようにぴちゃぴちゃと小刻みに出し入れする。
一回一回思いを込めてかみしめるようにロングストロークスライド。
沙和はもう人間とは言えなかった。
ただ体の欲するままに快楽をむさぼる、魔女のようだった。
沙和は最後のスパートに入っていた何もかも搾り取ろうとするかのように最深部からしごき上げるように引き抜き先端ギリギリから強いストロークで打ち込む、そんな繰り返しに松井はたまらず果てていた。
体中の水分を全て吸い取る勢いだった。松井の熱い命を体中で受け止めると沙和は、松井を咥えこんだまま、その胸に崩れこんでいった。体のそこらじゅうで小さな爆発が続いた。永遠に終わらないのではないかと沙和は思った。
だが少しづつ爆発が収まってくると、静かに眠り込んでしまった。
松井は沙和からゆっくり離れると、抱き上げシャワーを浴びせに階下に降りた。
寝静まった家の中に、シャワーの音が響いた。
朝になると、何事もなかったかのように、松井とともに家族と朝食をとった。
外の嵐は去っていた。
沙和の両親は、沙和の異変に気が付いていた。
しかしどうすることもできず、すべて松井にゆだねていた。
だから、沙和と松井の営みも見て見ぬふりをしていた。