お満の特別稽古 説得編-3
(って、そんな都合よく逝けないか…)
力の抜けたお敏の中指が、再び割れ目の中を擦り始めた。
(待てよ、いまのお満は赤玉効果で逝き体質!いける。これを説明すればお満も納得する)
その指の動きに合わせて、お敏の考えが徐々にまとまってきた。
「なに、ぶつぶつ言ってるのですか。もう母上の身勝手な願いに付き合ってられませぬよ」
『お満、母の言葉を聞きなされ』
お敏はさらに親力を込めてお満に声をかけた。
「何を言っても無駄でございまするよ」
『これも全ては、小俣家のお家再興のためだとしてもですか』
伝家の宝刀を口にしたお敏の親力がさらに大きくなった。
「ど、どういう事?それとお満の裸とは関係ないでしょ』
毅然とした態度で、お家再興と言われればさすがに気になった。
『そもそも、お満と竿之介に剣の素質が無いことは、母にでもわかります』
「そんなの、お稽古しないとわからないじゃないですか!」
『いいえ、そなたの父、棒太郎殿は剣に関してはからっきし。その血を引くそなたに素質があると思えませぬ。素質は引き継がれるもの。で、ごいますねっ、瓶之真先生』
「う、うむ」
成り行きを見守っていた瓶之真は、内心のそわそわが出ないように鷹揚に頷いた。
『仮に素質が有ったとしても、剣の稽古は六つ七つの幼少期から始めるもの。それから十年も経つ頃にようやく素質の有無がわかるのです。で、ごいますねっ、瓶之真先生』
「うむうむ、その通ーりでござる」
素質の有無を知るのにそんなに時間は要らないが、卑猥な稽古の事を思った瓶之真は、さらに鷹揚に頷いた。
「そ、そんなぁ…」
あと10年も厳しい稽古をしても、才能が無ければお家再興に繋がらない。直ぐにでも仇を打とうと張り切っていたお満は、その現実に愕然とした。
『お満や。小俣家を再興させたいか?』
「当たり前でございましょう。武家に生まれしは、家督を次世代に継ぐが使命。それには竿之介を武士として元服させる事が、姉たるお満の務めでございまする。なれど…」
胸と股間を隠すのも忘れ、お満はぽろぽろと涙を流した。
『ならばこそ、この稽古なのです。お満、そなたは小俣家再興のためには『どんな事にも耐える』と瓶之真先生に誓ったはずです』
「そんな事言ったっけ?」
お満は首を傾げた。
「言ったよ!全然、言ったよ!」
慌てて身を乗り出す、瓶之真をお敏は目で制した。
『言ったのです。母も確りと聞いてましたぞ』
「でも、その時って母上は気を失ってたではありませぬか。母上が出てきたのは、お満が着替えてからですよ」
お満が着替え終えてから、湧き出てきた事を指摘した。
『たわけ!母がこっそりと成り行きを見守っていた事がわからぬのか!』
「えっ?そうなの」
『瓶之真先生、申し訳ございませぬ。お満が心配な余りに、陰で瓶之真先生の人柄を伺っておりました』
一瞬、瓶之真に目配せをしたお敏は、宙で土下座をした。
「お、お敏殿」
(うふふ、せっかくだから瓶之真先生に目の保養を)
お敏はその状態で尻から両踵を外へずらすと、さらに上へと浮き上がって、全裸女の土下座姿を上から瓶之真に晒した。