花-1
「花」
―――そう
あれは「花」
つい先日の出来事。思い出すだけで…
心が踊るような
恥ずかしいような
でも
わくわくするような――
こんにちは
「こんにちは」
それはとあるサイトの2ショットチャットいわゆる2チャでのこと
【あなたを淫らに…】
たったこの一言のピーアール文にひかれて“入室”をクリックしたんだ
普段――いつもはもっと淫らな文にひかれるんだけど…この日は何故だか即、入室しなきゃって思ったの
運命ってやつかも?
「今、自宅かな?」
はい。家です
「下着、脱ごうか」
…はい。脱ぎました
「今って何時だったかな?」
朝の…10時です
「こんな時間からHなことがしたいだなんて、ゆうはいけない子だね」
ゆうとはあたしのH.N
そう――ここは普通のチャットじゃない、SMチャット
たまに“ご主人様”を探しにここをよく利用させてもらってる
だいたいのS様の第一声は
何歳?
どこに住んでるの?
…等こっち側からすると、うざいことこのうえない質問から始まるというのに、そうじゃないこの人の問いに、あたしは正直に答えた
今朝…官能小説を読んで…エッチな気分になって…ここに来たんです…
「どんな官能小説を読んだのかな?」
SMです
「ゆうの頭の中はいじめられることでいっぱいなんだね。主人公は女の子?」
…女の子
「その女の子はどんなふうにいじめられてたのかな?」
言葉責めいっぱいされて…淫らに…責められてました