初夜 その3-1
「いいね」
松井は、沙和に微笑みながら言った。
「僕がきっと、キミの中から邪念を消し去って見せる。」
そういうと、唾を垂らした手でしごき上げた宝剣を沙和の隙間にあてがった。
沙和は、目をつぶりその時を待った。
「あっ」
それは、突然やってきた。
熱く燃え滾ったそのものは隙間に滑り込んできた。かりの部分が収まったところで壁にぶつかった、こきざみに前後していると、奥からトロっとした液体がしみだしてきた。壁の凸凹は、待ってましたとばかりに収縮を強めていった。
沙和も歓迎してくれているんだと。松井は思い、前進を再開した、ニュルっとした感覚の後最初のヤマを乗り越えたのを実感した。乗り越えたところでまたぶつかった。
松井の分身は、絶えず壁の摩擦を受け微妙にうごめく凸凹に刺激を受け続けていた。
沙和は痛みに耐えていた。初めて入ってきた異物に、激しい痛みを覚え引き裂かれるかと思った。隙間に挟まった棒が動くたびにじんじんと痛んだ。
でも痛みと同じくらいの高騰感があった。じっとしているときは頭の中で白い泡がぷつぷつとはじけている様だった。
動き出すと、痛みが勝ってくる。しかし暫くすると、それも薄れて甘い痺れになって沙和を包んでいった。
松井も、沙和の中で強い締め付けとうごめくかべの感覚を堪能していた。
するとまた今度はさらっとした液体がしみだしてきた。
滑るように押し込むとさっきほどではない丘を越えていた。
松井のそれは2か所締め上げられていた。根元の一番強い締め付け、と次の締め付けの間は凸凹の壁に囲まれ、その凸凹は常にうごめいている。その奥はまるでイソギンチャクでも飼っているかのような、ざわざわした感じなのである。
行き止まりはまだ先だった。
沙和は目をぎゅっとつぶり、じっと痛みに耐えていた。
その痛みは長くは続かなかった。
その間、松井はじっとしていた。それは沙和を思ってのことではなく、沙和の至高の空間に浸っていたかったからだった。
じっとしているのに、2っつの突起がまるで生きているかのように、順番に握ってくる。
少しの間、感覚を味わった後、最後の難関を乗り越えて、一気に奥まで突き進んだ。そこは子宮の入口だった。入口周りの壁は松井のカリの部分を真綿のように包み込んでいた。隙間はなく、ぴったりと張り付き締め付けてくる。やわらかいのだが、きつくぎゅっと締め付けるのである。その締め付けも強弱をつけて波打つように、そして時折回転まで加えて来るのである。
鈴口の先で味わっていると、奥からトロっとした液体が溢れてきた。
小刻みに揺らしながら引き抜いてみる。すると湿り気を帯びたかりの先が一番奥の突起をするりと抜けて、真ん中にとどまった。すかさず押し込む。
また子宮に当たる。一番奥の突起をなめるように律動を繰り返す。
プチっプチっとこすりながら短いストロークを続ける。奥の真綿はその都度カリを包み込んでは締め付けてくる。手前のイソギンチャクは幹の中心部にそよぎ、根元の凸凹は絶えずマッサージを続けている。
普通ならすぐにでも逝ってしまいそうなのだが、入口の締め付けは強く射精を許してはくれなかった。
沙和の口は、まるで金魚のようにパクパクしている。意味の分からぬ声が絶えず漏れている。
ある時子宮の奥からドロっと洪水が起こった。その津波を利用して、一気に引き抜く。抜けるギリギリまで引き、間髪入れずにストレートを繰り出すと沙和の隙間は一気に奥まで咥えこんだ。
かなり強い締め付けの中、松井の分身は勢いよく律動を始めた。
ズン・ズンと打ち込んでは、奥で短くゆすり、思いっきり引き抜いては、浅く小刻みにこする。
スライドするたびに、三種類の刺激が場所を変えてやってくる。
もし根元の締め付けがなかったら、あっという間に終わっていただろう。
数えきれない、バリエーションに、沙和は翻弄されていた。
もう体なんかドロドロに溶けて形なんかないんじゃないかと思うほどだった。
痛みは最初だけだった。あとはそれを上回る痺れが快感を連れてきた。
「ああ、これが女の喜びなんだ」と思ったら、もう変な妄想など見ないですむと確信した。
もうそのあとは転がり落ちてゆくように深みに落ちていった。
松井は限界を迎えていた。一瞬避妊を頭によぎったがもう止まらなかった。
長いストロークはスピードを増していった。
沙和の顔を覗き込んだら、キスをしていた。無理やり舌で唇を割り、食いしばる歯をもこじ開け、舌を絡ませていった。
沙和も何もわからず答えていた。経験はないが本能のままにむさぼっていた。
かすかなふくらみをまさぐり指先でピンクの蕾をつま弾く。沙和の体に変化が起こった。さっきまで許さなかった射精を、求めるようになっていた。
「奥に、おくに、あなたの情熱のほとばしりをたくさんちょうだい。」射精を促すようなうごめきとともに入口で縛り付けていた緊迫を緩めた。
まるでシンフォニーのような時が流れたとき、突然松井の先端がふくらみ、勢いよくほとばしりが沙和の中に飛び散った。子宮の入り口にあたったマグマは、子宮内部にしみ込んでいき、待ち受けていた細胞と溶け合っていった。
それは沙和の体中に瞬く間に広がり、血管という血管を溶かし広がっていった。
初めて愛する人の精を受けた沙和は、幸福感にあふれていた。
松井の分身は、ぴくぴく痙攣しながら、沙和の壁の刺激を堪能していた。多分今が一番敏感に刺激を受け取れるのであろう。頭がまるで溶けていったようだった。
それは沙和も同じだった、ぴくぴく動く松井を優しく強く抱きしめていた。
松井は暫く動けなかった。沙和を庇うことも忘れて覆いかぶさっていた。
沙和はその重みを心地よく受け入れていた。その両手はしっかりと松井に抱き着いていた。