第一章-6
後は当日を待つのみ! そして迎えた動物園当日の朝…… 今日は待ちに待った動物園だ。
天気にも恵まれ絶好の動物園日和だ! 雅也はまだ寝てるみたいだし、先に準備しておこうか。
「よし、これでバッチリだな。」
着替え終わり、時計を見ると7時30分になっていた。
「そろそろ起こしに行くか。」
コンコン
「入るぞ〜」
ガチャ 部屋に入ると、そこにはパジャマで寝ている雅也がいた。
「おい!起きろ!」
「んぁ……アニキおはよう……。」
「ああ、おはよう。もうすぐ8時になるから早く支度しろ。」
「ん〜もう少しだけ……。」
雅也は布団の中に潜り込む。
はぁ……しょうがないやつだな……。
俺は掛け布団の上から雅也の体を揺さぶる。
「おい、いい加減にしろ!遅刻するぞ?」
するとモゾモゾと動き出し、上半身を起こす。
「んん〜、眠いよ……。アニキ抱っこ……。」
「は?何言ってんだ?ほれ、起きたならさっさと用意しな!」
「ちぇ〜、ケチ……。」
雅也は渋々、ベッドから出て洗面所に向かった。
「アニキ〜、俺の歯ブラシ取って〜。」
「はい、どうぞ。」
「サンキュー。」
雅也は受け取った歯磨き粉をつけた歯ブラシを口に突っ込みシャコシャコと音を立てながら、口を濯ぎ、コップに入った水を飲み干す。
「ぷはー!スッキリスッキリ!」
「はいはい、そりゃ良かったな。」
「アニキ…ん…ん…」
雅也が親鳥に餌をねだる雛鳥みたいに口を突きだす。
「あ…あの…これは一体どういう事でしょうか……?雅也さん……?」
「いまキスしたら爽やかなミント味のキスだよ♪」
雅也はニヤッとして俺を見る。
コイツ……完全に俺をからかって遊んでやがるな……。
「ふざけるな!!︎さっさと行くぞ!!︎」
俺は雅也を玄関まで引きずっていく。
「ちょ……アニキー!冗談だってばー!」
雅也は靴を履き終え、俺の方を振り向く。
「アニキ……お邪魔虫付きってのが気に食わないけど今日は楽しもうぜ♪」
「おう、お邪魔虫ってのがよく分からないけど…そうだな!楽しもうぜ!」
2人で家を出ると、バスに乗り駅に向かう。