第一章-4
「おーい!アニキー!」
「ん?雅也か?」
雅也は走って俺の方に向かってきた。
「はぁはぁ……やっと追いついたぜ……ってあれ?誰と話してたの?」
「ああ、ヒカリちゃんって言って俺の後の席の女の子だよ。」
雅也の瞳に一瞬殺気を感じたような気がしたがきっと気のせいだよね…そういうことにしよう……。
「てかお前学校は?」
「アニキの弁当が俺の鞄に入ってたから急いで持ってきたぜ!」
「あ、お袋がまた間違えたのか……。」
クラスの女子が雅也を見て黄色い声を上げている。
「きゃ〜雅也くんだ〜♡」
「雅也くん今日もカッコイイー!」
雅也は相変わらずモテてるな……。
くっ…雅也と同じ顔なのにどうしてこんなにも違うんだ……。
「おい、雅也。早く学校行けよ。」
「おう!またな、アニキー!」
「はいよ。」
「それと雅也、今日帰ったら話あるから家に居てくれよ。」
「え?なんの話だ?アニキの為なら一肌も二肌…いや全裸になるまで脱ぐぜ!」
「そんなこと頼まねえよ!!︎」
「冗談だよ、ジョーダンw」
「ったく……」
「あ、但しアニキに好きな女の子が出来ましたとか、アニキの知り合いの女子が俺の事好きで…みたいな話しは協力致しかねますので悪しからず。」
ちっ、こいつこういう事は勘が鋭いんだよなー。
「はいはい、分かりましたよ……」
「んじゃ、俺は学校行くから!あとよろしくなー」
「へいへいわかったよ。」
ガラガラッ
ドアを開けて出ていく。
ふぅ…しっかり釘を刺されてしまったな…こりゃ前途多難そうだ。