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ドッペルゲンガーの恋人/過去からの彼女(官能オカルト連作短編)
【幼馴染 官能小説】

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夢と潜在願望-5


 そこで夢の場面が変わる。
 数日後なのか、あの二度目のキスのすぐ後なのかはわからなかった。
 入り口のドアにロックをかけた個室病室で、莉亜はリョウにフェラチオしていた。
 ズボンとパンツを膝まで下げさせて、ベッドの上で膝枕させるようにして、莉亜は蛇のようなペニスや玉巾着を舌や唇と手指で熱心に玩具にしている。
 ペロペロと舐めて反応を楽しみながら「特別だからね」などと呟く。
 蛇のような鎌首は猛りながら脈打ち、女にはない部分であるだけに好奇心や興味もひとしおなのだった。しかも巾着皮はやんわり引っ張ると延びる。

「ずいぶんご立派に育っちゃって」

 思い起こせば子供の頃に見た覚えがある。普通の萎んでいるときだけでなく、昼寝で勃起してしまったときに、強引に見せて貰ったことさえも。あの頃よりも男に育っているのは間違いないだろう。
 しかも変に粘度の高い水飴のような蜜を先っぽから垂らして。ぺろりと舐めとってやるとリョウが切なげに顔を顰めた。感じたらしい。

「男の子も濡れるんだ?」

 莉亜の遊んでいる手は知らず知らずのうち、パンティの上から自分の姫貝をいたぶり慰めていた。とっくに中身が湿って温んでいるのは自分でもわかっていた。

「莉亜は」

 リョウは「女が濡れる」ことを知っているようだった。

「内緒よ。フフンっ」

 莉亜は茶目っ気の気分を起こしてしまう。しゃぶりながら自慰していたパンティの脇から、自分の淫蜜を指で一匙掬い、リョウの唇に差出し寄せてやる。触れたのは莉亜の動作のせいかもしれなかったが、口に含んで舐めたのはリョウの方だった。

「どう、美味しい?」

「甘いよ」

「嘘」

 リップサービスの定型句に笑ってしまう。まさか愛液が砂糖みたいに甘いわけはない。
 もっとよく味わえとばかり、彼の口に突っ込んだ指を蠢く舌に捺しつける。
 けれども莉亜は全然別のことを考えて陶酔していた。

(指がきもちいい、ゾクゾクする)

 口に含まれた指が柔らかい口腔粘膜と舌で温かく愛撫されているのには、女ながらにも感じるところがある。

(男の人がするときもこんな風なのかな?)

 女の莉亜がたかが指を好きな男の子の口に突っ込んだだけで、こんなにも恍惚としてしまうのだ。男の一番敏感なはずのペニスを女の恥ずかしい場所に深くまで突っ込んだとしたなら、快感は計り知れないと想像は出来てしまう。
 考えるだけで頭がおかしくなりそうで、慌てて指を抜いて逃がす。
 莉亜はまた巾着袋を玩びながら、棒キャンディーをしゃぶるように口にパックリ含んでやると、唇からビクビクした内筋の生理反応が如実に伝わってくる。先から溢れている透明な粘っこい汁を唾液と一緒にゴクリと飲み下す。

(リョウも、リョウのコレも全部私だけのモノよっ!)

 独占欲が膨れ上がって、髪を掻き揚げながら貪欲なまでにむしゃぶりついてしまう。
 はしたなくも、毒を喰らわば皿まで。
 チンチンしゃぶるなら最後までやって必ず射精させてやる。
 莉亜は居直った騎虎の勢いで事に望んでいた。生まれてから男の射精や精液を見たこともない生娘だったにせよ、リョウにとって一番最初であることを堪能する。
 やっている事の興奮だけで腰が胴奮いしてくるようだ。
 そろそろリョウが耐久力の限界のような予感もしていた。
 本番用の姫奥でこそなくとも、キスの味を覚えたばかりの乙女の口に含まれて、莉亜の身体の中でペニスがピクピクしているのだから、リョウの受けている悦楽は推測できる。

「出ちゃうよ」

「ふぁひふぁ?」

 咥え込んだまま「何が」としらばくれる。安堵と優越感に似た愉悦を覚えながら。
 莉亜はフェラチオながらの逆膝枕から横目でジロリと見上げる。たじろぐように何か言おうとしたリョウに、絶対に放すまい・もう逃げられないぞという女豹のオーラで勝ち誇る笑顔を送る。追い詰めるように口唇での愛撫を加速させてやるのだった。
 このまま大好きな男の子のリョウを最後に果てるまで攻め切ってやる決意。口の中で精液をぶちまけられる覚悟くらいはもう出来ていた。

「精子出ちゃうから」

 情けない声と表情を視界の端で収めつつ、莉亜は「いいよ!」と心の中で叫んでいた。

(リョウのだもの! リョウのイクところ、受け止めてあげたい!)

 もしこれが他所の男のものなら汚いだけだろうが、好きな相手ならしょせんは「赤ちゃんの素」でしかない。どっちみちに子宮に注ぎ込まれるように出来ているのだし、ほとんど女としての固定の取り分や権利ですらあるだろう。

「ふーふー」

 ついには鼻息まで荒くなってしまい、溺れるように唇とペニスの隙間からも息を吸う。

「あ、ああ、り、りあ、うぅ」

 リョウは精神が崩壊しそうな面持ちで恍惚として懸命に堪えている。
 莉亜としては、他の女には絶対に渡したくないし、こんな彼を見せることさえ嫌だった。
 不思議なほどに自然に、一月も前ならばリョウに対してさえありえない行動をやっている。心境の変化は信じがたいほどだったけれど、まことに女として「欲しくなる」という表現の意味が今更ながらに理解できてしまう。
 カポカポと首まで振って獣のようになってしまう。
 顎が痺れそうになってきても、喰らいついたら放さない、スッポンじみた根性が出た。

「ああぁ」

 呻き声と一緒にほんの少しだけ、異なった生臭さが莉亜の口中に広がる。我慢しきれずに微量が漏れてしまったようだった。


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