辞令-1
「話は理解したかな?(笑)」
「ハイ本部長」
戦略室のメンバーは、三太からの話に驚かなかったことがない、今回の話は事前に集合が掛っていたので、
何かあるとは思っていたが、まさか長年勤めた会社を辞め、新会社に転籍とは流石に驚いた。
「これから新しい会社をみんなと観に行くよ」
「14時に1階のロービー前ね」
「荷物まとめているんだよね?」
「ハイ」
「山本くん、全員の荷物をそのまま向こうに送る手配してくれる?」
「ハイ社長」
「あぁぁそうだ(笑)みんな僕が社長で、典子が副社長ね(笑)あと重工から副社長が来るから
その辺の紹介は後日ね」
「ハイ社長(笑)」
「しかし、重工から来る副社長って気になるよね(笑)」
「信子ッ三上に電話して誰が来るのか聞いてくれる?」
「ハイ」
「ありがとうございます、ハイ社長がお名前を知りたいと申しまして」
「ハイ、いいえこれから全員で向かいます」
「ハイそのようにお伝えします」
「殿崎さまとの事です社長」
「なるほど殿崎ねぇ〜(笑)」
「殿崎は仕事のできる重工の次期、役員と言われている男だよ」
「殿崎が連れてくる社員なら、相当レベルの高い仕事をしそうだな」
「みんなには明日から仕事してもらうけど・・・西条と重工の医療部の重複する経費を
徹底的に洗い出して、経費の削減をするから」
「了解しました」
「当然だけど、統合まで考えて計算してよ(笑)」
見学に行くと言っていた割に、もぅ仕事の指示を出し、明日から通常通りの業務が始まる
雰囲気の会議室だった。
「車の方の準備が出来ました」
二葉が三太に報告した。
「ヨシみんな会社を観に行くかぁ」
「ハイ」
会社前に停まっている、観光バスに乗り込んだ、三太以下、企画室メンバーは、高速からレインボーブリジを
渡り直ぐに台場で降りると、湾岸線と並行して走り、直ぐに右に曲がった。
総合病院やホテル、ビックサイトなど巨大な建物の直ぐ近くに、巨大な敷地に立つ7階建ての
ビルが見えて来た。
「敷地が広いからビルが小さな事務所に見えるね(笑)」
「それなりに大きいビルだとは思いますが、小さく見えますね(笑)」
メンバー全員の感想だ。
敷地入口の門は、空いており、バスはそのまま入口を入り、ビルの前に横付けされた。
「お久しぶりです三太さま(笑)」
「出迎えありがとう殿崎(笑)」
三上から聞いたのであろう、三太が見学に来ると聞き、殿崎は会社で案内役として三太を待っていたのだ。
「みんな彼が副社長の殿崎だ」
「みなさんよろしく」
「お久しぶりです典子会長」
「これからまた、ご一緒ですね殿崎さん」
「ええその様ですね(笑)」
殿崎氏は、三太の学生時代の経営の家庭教師として2年間重工から週2回、出向して西条家に出入りしていた。
歳は28の三太に殿崎が38と、兄貴的存在だった。
「こちらが社長室になります」
「良い部屋だね(笑)広いし・・・」
「話は何処まで聞いているの?殿崎は」
「総帥から医療部から手を着けると聞きました」
「両会社の経費削減を考えている(笑)調べた結果によってはうちが引き取ろうかと(笑)」
「面白い所から手を着けますね(笑)」
「メンバーたちの肩慣らしだよ」
「重工のメンバーは決まっているの?」
「ハイ、20名とお聞きしていますので20名と3名の受付嬢を手配しております」
「それは良かった(笑)、代表の電話や来客の案内が居るのは助かる」
「後・・・30分ほどでココに到着すると思います」
「じゃぁ〜全員集まったら会議室で挨拶するか(笑)」
「信子、50名ほど入れる会議室を準備していくれよ」
「ハイ社長」
「二葉くんコーヒーくれる?」
「ハイ社長」
三太は当然のように二葉にコーヒーを注文したが、あるのだろうか?
典子は少し、不安になったが、二葉が普通に返事していたので、黙って見守った。
「殿崎今の二葉くん、若いが優秀な秘書だから副社長秘書に着けるよ(笑)」
「フタバのご令嬢ですか?」
「あぁぁ駆の妹さんだ(笑)」
「駆くんの妹さんですか(笑)」
「失礼します」
二葉が、トレイにコーヒーを4つ乗せてやって来た。
「コーヒー有ったのですね(笑)」
「社長が飲まれると思って、セットを持参しました(笑)」
「二葉くん、今日から殿崎副社長の秘書として頼むよ」
「ハイ了解しました。殿崎副社長よろしくお願いします」
「よろしく、君のお兄さんとは何度も西条のお屋敷で会っているんだよ(笑)」
「そうでしたか(笑)お兄さまにも殿崎副社長の秘書になったと報告しないと(笑)」
「驚くぞ(笑)私の秘書と言ったら」
「ハイ、転籍の話もしておりませんから(笑)」
「殿崎、後・・・彼女が山本信子なぁ私の秘書だ(笑)」
「よろしく山本さん」
「ハイよろしくお願いします」
「一応言っておくと、山本副総裁の孫なぁ(笑)」
「三太さまはどんな関係でこれだけの人間の集めているのですか(笑)」
「麗子と典子が仕事の出来ない私に、優秀な秘書を着けてくれた(笑)」
「はぁ〜そう言う事にしておきますか(笑)」
殿崎は総帥が直接転籍の話を、電話して着た事で、何か大ごとだとは思ったが、本気になった
三太の手足になって働けと言う事なのかと思った。
三太が本気のビジネスをまじかで見られる幸せに、殿崎は久しぶりに興奮した。