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姑(しゅうとめ)の青春
【熟女/人妻 官能小説】

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姑(しゅうとめ)の青春-1

この物語は、前作「千代子、愛しき妹」「 愛しき妹、千代子の危機」に続くものです。

1.
 「お兄ちゃん、お義母さんがねえ、又ミロンガ(タンゴのダンス会)に連れて行ってくれるように、お兄ちゃんに頼んでくれって言うのよ。近くのミロンガに行ったんだけど、下手なもんだから相手にされなかったみたい」
「イイよ、次の会場を調べて連絡するよ、お義母さんの都合は?」
「いつでも良いみたい、ずっと我慢してたみたいだから、早い方が良いわね」

 姑の静枝が息子の友成を溺愛するあまり、嫁の千代子に嫉妬をして辛く当たると涙ながらに訴えてきた。静枝の趣味がタンゴだと聞いた良和は、静枝をコンサートに誘い、高まるムードの内にミロンガでタンゴを踊った。良和の情熱的な抱擁にフェロモンが沸き立ち、乳房は震え、子宮が疼いた。良和に誘われるままに、ホテルで体を重ねた。
 良和にすっかり気を奪われた静枝の千代子に対する態度は、手の平を返すように好転して、千代子は平穏な日々を取り戻した。

 
 姑の静枝は、高校の時の憧れの先生がタンゴ好きだったことから、タンゴを聴くようになった。同級生の中にも仲間が現れて、先生に連れられてコンサートに通った。卒業後もタンゴのクラブに加わって趣味は続いたが、結婚後は医者の妻としての体面もあり、いつしか集めたレコードやCDは、本棚の一角に忘れ去られていた。
 収入は高いので生活にこれといった不満はないが、平凡で刺激のない生活が続き、生まれた長男に意識が集中して、親離れ、子離れのしない怠惰な生活に陥っていた。
 夫は仕事にかまけて家のことは妻任せで、夜の夫婦ごともおざなり、愛情のはけ口を息子に求めて、嫁につらく当たる嫌な姑になり果ててしまった。

 そんな折、嫁の兄、良和が現れた。趣味はタンゴと聞き、埃を払って取り出したレコードに話が弾み、久方ぶりに青春の日々を想い起こして胸が弾んだ。
 良和にアルゼンチンから来たタンゴ・オーケストラの演奏会に誘われた。嫁の兄とは言え、若い男性にエスコートをされてコンサートに出かけるなどということは、かつてないことだ。
 ハートの底から湧き上がる情熱のタンゴのリズムに、我を忘れた。誘われるままにホテルに入った。普段では考えられぬ成り行きだが、身体の芯から湧いてくるリズムに、疼く身体を抑えられなかった。
 これまで恋に身を焦がしたことはなく、夫以外の男性に身を任せたこともなく、といってそれで満足をしていたわけではない。
 良和に誘われるままに、一糸まとわぬ裸身をさらし、愛撫にヨガリ狂う女の姿は自分の物とは思えなかった。さながら深夜番組で、男に抱かれて腰をくねらせながら、ハアハアと鼻を鳴らして絶頂を迎える女の姿にわが身を重ね、目の覚める思いがした。

 都内の有名女子高校、短大を卒業して、望まれるままに結婚した。結婚するとすぐに長男が生まれた。
 愛だの恋だのを知る間もなく、子育てに毎日が追われた。
 夫は優しかった。妊娠が分かると、大事を取って夜の夫婦の営みは止めになった。
 夫はそもそも精力は強くないのか、出産後も月に一度、挿入して射精が済むとお勤めは終わったとばかりに寝入ってしまう。
 子育てに精力を使い果たした静子は、当分は子供は要らないと、月に一度の営みは安全日に決めた。

 良和との愛の交歓は、晴天の霹靂だった。セックスは子供を作る手段としか考えていない夫、それを不思議とも思わなかった静枝にとっては、まさに未知との遭遇だった。

 良和と結ばれたあと、疼く身体を期待に膨らませて夫を迎えたが、前戯もなく、射精が済むと夫は自分のベッドに戻っていく。長年の習慣を変えるだけの知恵も勇気も湧かない。
 一人取り残された静枝は、濡れるクリトリスを二本の指で摘まんで扱き、良和の面影と怒張に震える男根を瞼に思い浮かべながら、かろうじて絶頂を果たす。
「良和さん、貴男に逢いたい」

 
“宵闇せまれば悩みは果てなし、乱れる心に映るは誰が影、君恋し唇あせねど、涙はあふれて今宵も更け行く”
 思い起こせば、女学生時代、イケメン先生に憧れ、近くの高校に通う男子生徒に想いを寄せて眠れぬ夜もあった。夜になると、訳もなく胸が疼いてため息が漏れた。涙が滲んだ。

 結婚してからは、教えに従って良妻賢母を目指して、何の疑いも持たなかったが、良和とともに過ごした悦びの一夜は、純真な乙女の日に疼いた胸の想いを呼び覚ました。
 (これだったのね、私の胸に疼いたものは」


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