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抜け出せない世界
【調教 官能小説】

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頼られる幸せ-1

智子は旦那と子供が二人の平凡な主婦の47歳。
高校生の娘と大学に通う息子は、自分達の世界があり忙しい。

夫はサラリーマンで、仕事と飲み会の毎日で帰って来て寝るだけの家。
智子は昼間、洗濯や掃除をして、昼に独りテレビを観て食事、洗濯した物を畳んだり、
アイロンかけをして、夕食の買い物をして作る。
準備しても子供も、夫も食事の時間に帰る事はないので、独りテレビを観て食事。

女だった智子は、奥さんになり、ママになり、母親になり、今は家族の家政婦状態だ。
体型だって、人並みのスタイルで若い頃は、ナンパもされる可愛らしい女性だった。
食事と家事が仕事の智子は、全身に贅肉が付き、乳は垂れ、今は完全なぽっちゃり中年女性。
そんな家政婦女房を抱く夫はいない、当然ココ数年レスだ。

レスで不満、家族に不満、独りが不満、不満が募り、ストレスが半端ない。
そして食べて太る。

家に居てはダメだと、近所に散歩に出るが、公園辺りを歩いて、早い時間のスーパーを
買い物もしないのに覗く程度、こんな私でも、必要としてくれる人が居たら・・・
そんな妄想をして家で独り、慰めている。

それでも、散歩を少し続けてみた。買い物しないスーパーも、普段気にしない、周りの人を観たり、
探せば面白さも発見できた。

あの日も、スーパーを商品では無く、人を観に行った時だ、野菜を両手に持ち、悩んでいる
同年代位の出世しそうもない男性が目に留まった。
智子は、右と思いながら観ていると、左を選びカゴへ、"あぁぁ何やっているのよ“明らかに
古い方を選んでいる。牛乳を同じように持ち、何を調べているのか分からずにカゴへ、
"あなた日付を観なさいよ選ぶなら"見ていて黙って居られなくなる智子。

精肉コーナーで足を止めた男性、智子は隣まで行って覗くように見る。見比べているが、
当然間違えている思わず
「それはこちらの方が日付か新しいから良いと思いますよ(笑)」
「あぁぁ本当だ、コレは今日の朝で、こちらは昨日の朝ですね(笑)」
「ええそうですね」
「助かりました(笑)、奥さんは買い物上手ですね」
見知らぬ男性と話すのも、久しぶりだし、褒められたの何んて、いつぶりだろう・・・
嬉しいし、楽しかった。

それから毎日の様に、スーパーで男性を見かけると、カゴの中をチェックして、先生の様に
間違って選んでいる品物を指導した。

そんな毎日で判った事は、男性は佐々木さん54歳、奥さまを病気で昨年亡くされた事、
仕事は夜勤の工員で技術職との事、家事を奥さまに任せて働いていたが、夜・倒れてそのまま、
朝、帰宅したら亡くなっていたとの事だった。

普段の生活する知恵がなく、何も知らないと佐々木さんは言って、私にスーパーで色々と質問した。
私は頼られる事が嬉しくて、丁寧に何でも教えて上げた。充実した満足できる日々だった。

当然、智子が佐々木の家にお邪魔して、生活ぶりをチェックするまで時間は掛からなかった。
部屋に入って感じたことは、奥さまは手を抜かずに家事をしていたと、判る事だった。
彼が使い片付けた所から、広がる様に汚れ、しまい方が雑になって居る。キレイだった部屋を半年、
一年かけて汚したことが分かった。
主婦のプロである智子は、朝から昼過ぎまで掛けて掃除をして、昼食を作った。
佐々木さんは子供の手伝いの様に、指示した物を運んだ(笑)
食事が出来た事を教えると、
「なら智子さんが居るけど風呂に入ってから夕食にします」と言った。
そうだ、佐々木さんには、夜勤明けのこれからが、夕食でゆっくりする時間なのだ。
「すいません、気づかずに準備するのが遅くなりました」
「いいえ、私は今日、休みですから遅くなっても構いません」
昼間と深夜逆転の生活の人の感覚だと、こんな明るい日中が夜なのだと不思議だった。

「お仕事お疲れ様でした」智子はそう言って、佐々木のグラスにビールを注いだ。
佐々木は旨い旨いと言いながら、智子の作った料理を全て食べた。
何年ぶりだろう、こんな風に作った料理を旨いと言いながら、目の前で食べてくれる人を見るのは、
多分、長男が高校生ぐらいの頃、以来だ。

アルコールが入り、口数の多くない佐々木も、愚痴のように色々と内情を話した。
男、独りの淋しい話は、智子の淋しさと共通する部分が多かった。

「旦那さんは羨ましい、家に帰るとこんなキレイな奥さんが美味しい料理を作って待っている」
「キレイだ何て、太ったおばさんですよ(笑)」
「私には魅力的な女性に見えますけどねぇ」
智子が言われたい台詞、思われたい事を次々に口にする佐々木。

褒められ続ける智子は、次第にプロ主婦から、女、智子へ変化していった。
あぁぁ堪らない、1人の女として扱い、話してくれている。その扱いを想像し慰めていた自分を
思い出し、智子は激しく濡らしてしまった。




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