帰宅-1
猛の退院日、美鈴の両親や琢磨、優花も駆けつけた。猛も検査の為に数回通院する必要が有ったが、病院での最後の検査前に短い時間だが特別なリハビリを行い問題無かった。病院関係者へのお礼の挨拶を済ませて退院する。
琢磨や優花は挨拶して帰ろうとするのを美鈴は引き止め、この後食事に行くので一緒にと誘う。2人は遠慮したが、猛がもう顔見知りだし、一食浮くと思って来てくれと頼んで2人は了承した。有名な中華のお店で、琢磨や優花の人数も予め入れて個室を予約していた。
会食は、楽しく進んだ。琢磨と優花は、美鈴の両親とも猛の病室で何度と無く顔を合わせて仲良くなっていたからだ。料理も評判に違わず絶品で食も進む。2時間弱の会食は、あっという間に予約時間が過ぎ全員満足して終えた。店の前に、タクシーを呼び琢磨に優花を送り届けて貰う事にして見送る。
美鈴の両親へもタクシーを呼び、また遊びに行くからと猛が伝え両親は笑顔で乗車し帰って行った。美鈴が自分達の帰宅用にタクシーを呼ぼうとするのを止め、猛は少し歩こうと話す。食べ過ぎたので腹ごなしだと笑う。美鈴も頷き、最近余り歩いていないと言い付き合う。少し歩いて美鈴が、
『また朝走ろうかな。』
と言う、警護も取れて誰にも遠慮する事なく以前の習慣を始められると思ったのだ。猛も、
『うん、そうした方が良いんじゃ無い。』
『少しお腹周り、お肉付いた気するよ。』
と笑う。美鈴は慌てて、
『嘘!』
と言い、自分の腹部に両手を当てて確かめる。猛が、
『嘘だよ〜。』
とケラケラ笑う。美鈴が少し怒り気味に、
『焦ったよ!』
と言うが猛の顔を見て、お互い笑う。2人で他愛の無い事を色々話して、また街並みを見て新たに出来た店舗などにあれこれ言いながら歩いていく。美鈴は、最近ほぼ休み無く警護が付いていた事も有り、ほとんど職場と自宅の往復だけだった。
その為に、最近近くに新たに出来た店舗やマンションなど知らない事が多く驚いた。猛の方が詳しく、あの店の何が美味いとか、あそこに遊戯施設が出来たとか詳しい。美鈴は、猛が話す横顔を見ながら、
【猛が独り立ちするまで未だ時間は有る。】
【休める時は、休んで猛と色んな所に行き思い出を作ろう。】
【今まで、ずっと猛を放って置いた。小さな時の分まで一緒に居よう。】
と思いを巡らす。そうこうしてる内に、自宅の有るマンションに着いた。マンションに着き中に入り、エレベーターに乗る。2人共無言になる。美鈴は俯き、猛の顔を見ない。猛も何故か美鈴に視線を向けない。
【何か、緊張するわ。】
【それに恥ずかしい…】
と美鈴は照れていた。美鈴が玄関のドアを開けるのを、猛は少しイライラしながら待っていた。ドアが開くと美鈴が先に入り、居間の方に向かう。冷蔵庫に行き、
『喉、乾いたでしょ?』
『お茶で良い?』
と聞き、猛を向くと猛は下半身に何も身に付けていない。猛の巨大な性器は、にょっきりと直立に近い角度に立ち、これまでに無い大きさで勃起していた。猛は切羽詰まった様に、
『喉を潤すのは、1番欲しい物を味わった後だ。』
と美鈴に近づく。美鈴は慌てて、
『待って、未だ早いんじゃ無いかしら。』
『傷口に障るかも知れない。』
と猛を手で制して止める。猛はもどかしげに、
『リハビリで無理を言って、少し運動をさせた貰った。』
『短い距離だけどダッシュやバスケを短時間ね。』
『その後の検査でも問題無かったよ。』
と言い、美鈴に近づき服を乱暴に脱がして行く。美鈴は圧倒されながらも
『でも、無理したら体に良くないわ。』
『もう少し、待たない?』
と言いながらも服を脱がす猛のなすがままだ。