前編(2021/10/03)-4
「もう一つ・・・。
それは何でしょうか?」
梨奈はどんな依頼をされるのか、
気が気でなかった。
「先生が教えてくださったオナニーを、
トオルがきちんとできるか、
先生に見届けていただきたいんです。」
「ええ?
そんな、見届けるって・・・、
私が見ちゃっていいんですか?」
梨奈の声が自然と大きくなった。
「ええ、もちろんです。
だって、先生が教えて下さるんですから、
教えていただいたことには、
責任を持っていただかないと。」
「それはそうですけど・・・。」
「ただの知識としてさらっと教えるのではなく、
実践的に指導してあげてくださいね。
それで、もし、トオルがうまくできないようでしたら、
先生が手伝ってあげてください。」
「そんな・・・、
実践的って・・・。
それに、手伝うって・・・。
手伝ってあげたら、
オナニーではないと思いますけど・・・・。」
「そこは、いいんです。
気にしないでください。
正しいオナニーの方法を覚えてもらうためです。
先生なら、手伝うまではOKですから。」
「そう・・・なんですね・・・。
それで・・・・、
今日、ですか?」
「はい、今日です。
先生、お願いします。」
「・・・・・・。
・・・・・・・そうですか・・・。
・・・・分かりました。」
半ば強制的に決められた感じだったが、
梨奈は明確な拒否をしなかった。
トオルにオナニーを実践的に教えるという、
普通ならあり得ない状況を想像し、
密かに性的な興奮を感じ始めていることを
梨奈は自覚していた。
* * *