決勝M女子200m平泳ぎ-1
平泳ぎのエースといえば、5年前までなら山本華莉奈だったが今は高橋ともえと業界の見方は一致している。50mこそ華莉奈がまだ意地を見せているが、伝統的な種目と言える100mと200mではともえが他を寄せ付けない強さを見せている。
4レーンのともえを挟んで3レーンに高校生の春原夏菜、5レーンに中学生の出渕紗也香と恐らくともえの後に平泳ぎのエースに名乗りを上げそうな2人がいる。ともえにとっては200mは一番の得意種目。ここで負けるわけにはいかない。
スタートからの15mでまず浮かび上がったのはともえ。夏菜と紗也香もついていっている。ただ、紗也香は200mよりも100mの方が得意。前半であまり動くと体力を無駄に使ってしまうので何が何でもくらいつくような感じではない。そう考えると夏菜の方が余裕がある。水着が体に馴染んだのもあるし体の動きが軽いので、隙あらば抜こうとすることも考えている。
最初の50mはともえと夏菜が同タイムでトップでターン。その次に紗也香がターンした。ともえの泳ぎにはまだ余裕がある。夏菜の勢いも衰えていない。ただ、少しともえがリードしているようにもみえる。
100mのターンではわずかではあるがタイム差がついてともえがトップ、夏菜が2位になった。3番手の紗也香のペースは落ちていないが夏菜との差が開いた。125mあたりでともえのペースはだんだん上がってきている。夏菜も食いついてきているし、紗也香も差を詰めてきている。
最後のターンでまた3人が並んだ。4番手には100mで自己ベストを出して3位になった葛西なほみが続くが、3人との差は大きくなっている。最後のターンをした直後の15mで先に浮き上がったのは夏菜。無理がかからないペースアップで夏菜がとうとう、ともえをとらえた。しかしともえはまだちぎられていない。紗也香もついている。残り25mでまたともえが夏菜を抜いた。それでも夏菜は食い下がる。夏菜はキックで脚が大きく開くたびに股間に水が入り込みそうな違和感を大会が始まった頃に感じていたが、今はそんな感じがない。だからペースが落ちない。
しかし、残り15mでもともえはまだリードしている。一方、疲れてきた紗也香はペースが落ちてきて離されてきた。そして、残り5mでともえが抜け出した。ともえはハーフスーツで出した自身の日本記録をわずかながら更新。2位の夏菜はハイレグワンピースを着ていた頃のともえが出した高校記録を更新した。
「あーっ、面白かった!」
ともえが会心のレースができたと思ったときに決まって発する言葉がついに聞かれた。
「春原さんと出渕さんが思った以上に粘ったのには驚きましたけど久しぶりに燃えました。日本新は狙ってはいなかったですけど、出せたのには納得できました」
日本新で3種目制覇に花を添えたともえは目に見えて満足な表情を見せた。
「高校新は出せればいいなとは思っていました。ハイレグは小学校の時に着ていましたけど、最近はあまり着ていなかったので違和感ありましたね。でも、だんだん慣れてきました。キックが楽にできたのでペースが落ちにくくなっていましたね」
この大会で手応えを語る夏菜は水泳選手には珍しいスレンダー巨乳といわれるスタイル。黄色いLサイズからは形のいいFカップときれいなくびれが浮かび上がっている。中学生離れした大柄な体格の紗也香は夏菜と比べてムッチリしている水泳選手らしい体型だが、表情はまだあどけない。ただ、このレースの結果には納得いっていないようだ。
「いままで経験したことないスピードでしたね。200mはあまり得意ではないですけど、最後までペースが落ちないスタミナつけないといけないのかな…」
中学生同士なら無敵の紗也香だが、お姉さん相手のレースで課題が見つかった。濡れたオレンジ色の水着からは中学生離れした豊満なバストとその割に小さな乳首が浮き上がっていた。