菜奈先生 -給食の思い出- クリームシチュー(2021/08/29)-3
「先生・・・、
あの・・・、
お願いがあるんですけど・・・。」
「ん?
なに?」
菜奈先生は食べるのをストップして、
僕の方を見た。
「えっと・・・。」
「なに?」
「その・・・・。」
「なんなの?
言ってみて。」
「先生・・・、
怒りませんか?」
「え?
んー、
・・・・内容によるかな。」
「そ、そうですよね・・・。」
「ウソよ、ウソ。
怒らないわ。」
「本当ですか?」
「ええ、本当よ。
なに?」
「はい・・・、
それじゃ、えっと・・・、
あの・・・、
クリームシチューを食べる時・・・、
その・・・。」
「シチューを食べる時、なに?」
「あの・・・、
せ・・・先生の唇に・・・、
・・・シチューを、
・・・く、・・・・くっ付けて・・・
もらえませんか?」
僕は思い切ってお願いしてみた。
顔が火照ってる。
きっと、僕の顔は真っ赤になっているに違いない。
「え??
シチューを唇に??」
菜奈先生は真顔で驚いている感じ。
「和也くんは・・・、
それを見たいの?」
「・・・はい。」
僕はごくりと唾を呑み込んだ。
「ふーん・・・。
あのさ・・・、
和也くんって・・・。」
「・・・はい。」
「もしかして・・・、
頭の中・・・
・・・ヘン?」
「あ・・・、
・・・・・ヘ、ヘン?
・・・・そ、そうかもしれません・・・。
ごめんなさい・・・。
僕、いつもヘンなこと考えちゃって、
その・・・・。」
僕はしどろもどろになってしまった。
* * *