背徳と嫉妬の間には(二回目の貸出し、初のビデオ報告)-1
この日以来、私たち夫婦はより強い絆で結ばれ、より深い愛を感じ合っていた。
夫婦にとっての最大の障害は、信頼し合えるかどうかにあると思う。おそらく世界中の多くの夫婦がこの問題に直面し、悩みを抱えているに違いない。
だがしかし、私たち夫婦はすでにこの問題を解決し、それどころか消滅させてしまったのだ。無論偶然の結果ではあるが、事実であることには相違ない。
元はと言えば、私の嫉妬深さが招いた結果だったが、いまとなれば災い転じて福となるの典型例のようにさえ私には思えた。
ただ、ここまでくれば承諾するだろうと思われていた3Pに対して、妻は相変わらず頑として首を縦に振らなかった。やはり、それに対しては相当の羞恥と抵抗があるようだ。
3Pといっても、なにも私は妻を男二人で同時に責めたいなどと思っているのではない。私は、妻が私以外の別の男に抱かれているところをこの眼で見てみたいのだ。
だから私がそこに参加しなくても一向に構わないし、もちろん、相手が脇田である必要もない。
しかし、そこに加わらないとしてもその場にいることには変わりがないし、妻にしてみれば、それが一番恥ずかしいことらしい。
またお相手にしても、脇田でさえ無理なものを他の男でなど到底考えられない。
やはり脇田が私の目の前で妻を抱いてくれるところを見せてくれれば、それが一番いいのだが、どうやら当面それは叶いそうもなかった。
前回は、あれはあれで良かったが、いかんせん耳からだけの情報ではいまひとつリアリティーやインパクトに欠けていて、時が経てば記憶も薄れ、刺激としてはあまりにも物足りなかった。
無論脇田本人からも当初の二人だけの密約どおり、あの夜の詳細なレポートはこっそりとメールで受け取っていた。
しかし、それとてひと月もすればもう遠い彼方に霞んでしまい、いまとなってはまるで実感がなかった。
メールと言えば、妻が私に隠していたことが一つだけあった。性交の回数は四回ではなく、実は五回だったのだ。
帰り支度をすべて整え、二人とも服を着終わったあとに、もう一度二人は下だけ脱いで交わったのだと言う。
これが最後だと思うと、二人は離れ難かったのだろう。その気持ちが衝動的に発展し、服も脱がずに慌ただしく求め合ったに違いない。
ただ、妻としては自分の行動がいかにも動物的で浅ましく、正直に話すにはさすがに気が引けたのだろう。
しかし、だからこそこの事実は、私にとっては最も興奮すべき材料でもあった。私は脇田からのレポートを読んで、身体がか〜っと熱くなったのをよく覚えている。
いずれにせよ、聴覚からだけの情報ではすぐに薄れてしまう。私はどうしても視覚的刺激が欲しかった。
そのためには妻に3Pを受け入れて貰う以外になかったが、それだけは絶対に嫌だと彼女は固辞し続けた。
前回のようにセックスの度に私は洗脳に努めたが、いまだ効果を発揮しない。
まあ、それはそれ、根気よく続けるしかないとして、耳だけからにしても新しい刺激を得ようと、そろそろ脇田との第二弾を考え始めていたそんなある日、私は思いもかけなかったものを手に入れた。
ビデオカメラだ。取引先の顧客からただ同然で頂いたものだが、子どものいない私たち夫婦にはこれまで無縁なものであり、興味すら湧かなかったものである。
私はこのカメラを手にした瞬間、ハッと気づいた。そうだ、その場に私がいることが問題であって、いなければ何ら問題はない。
そこに私は存在しないが、代わってこのカメラが私の眼となってくれる。私はそこに気づき、小躍りしてカメラを手に飛んで帰ったものだった。
それからは、不慣れなカメラの取り扱いを覚えたりと結構それはそれで大変だった。もちろん最終的にはカメラは脇田のほうへと渡し、彼が男優であると同時にカメラマンでもあるわけだが、ことはそう単純なものでもない。
誰だっていきなりカメラを手渡され、君のセックスシーンをこれに撮って私に見せて欲しいなどと言われて、うんと言うわけがない。誰だって嫌に決まっている。
そこでまず私は、私のほうが先に撮る必要があると考えた。つまり、私と妻の性行為をこれで撮影し、それをこっそり脇田に見せて、同様にやってくれというのであれば彼としても抵抗感は薄れるはずだ。ましてや脇田と美香、そして私との関係だ。これで脇田が断るとは思えなかった。
案の定、この提案をメールで打診すると、脇田はお預けをくって涎だらだらの犬が如く、飛びつくように快諾した。
美香のほうも、撮影自体はまるで問題なかった。むしろ私以上に積極的で、レンズを意識することで膣穴がいつも以上に拡張するらしく、溢れる淫汁の量も夥しくてAV嬢顔負けで大いに乱れてくれた。
やはり彼女の露出癖は筋金入りだと図らずも証明されたようなおまけまでついてきたが、おかげで私は撮影にも気合いが入り、毎日夜が来るのを、そして帰宅するのを大いに心待ちにしたものだ。
また、撮影後のモニター再生も様々な刺激を生んでくれた。