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白百合散る
【熟女/人妻 官能小説】

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裏切りと復讐-2

「これくらいはいいでしょう?何もしないのは私の気がすまないわっ」
「ああ」
ひょっとしたら照れているだけかもしれないと思った成美は、山本の股間にも手を伸ばし少しばかり硬くなっているそれをしごこうとした。
「それはいいんだっ」
「でも硬くなってきているじゃない、うふふっ」
背中に自らの胸を押しつけ、さらにしごこうとすると手を握られ動きを止められた。
「本当にいいんだ」
諦めた成美は洗うだけは洗ってやり、湯船にしばらくつかった山本は服を着て帰ろうとする。
「また来るよ、一週間後に」
そう言って帰っていった。成美は信じていないものの、実際に父母の状況が分からないので不安になった。その日の仕事を終え、次の日トシに聞いてみた。
「そろそろ三年になるわっ、そうなったらここから出してくれるんでしょうねっ」
「バカゆうなっ、お前の親はそれからまた借金してんだっ、まだまだ働いてもらうぞっ」
「ちょっ、ちょっと、ひどいじゃない、約束が違うわっ」
「ひどいのはお前の親だろ?まったくよう。あと三年はかかると思うぜぇ、はははっ」
「くっ、お母さんに連絡させてっ」
「ダメだ、ダメだっ、外部とは連絡できないことになっている」
「じゃあ証拠を見せなさいよっ、借金が増えていることのっ」
「おお、いいぜぇ、あとから証文を持ってきてやるよっ、そんなことよりちゃんと準備しねえかっ、今日はちと忙しいぜっ」
年季が増えることには怒りを覚えたが、借金をしたのなら父母は生きている、と一抹の疑いをもちながら安心しようとするのだった。
一週間後、約束どおり山本は来た。トシからは新しい証文を見せられ、一応納得したことを話した。
「それは奴らの常套手段だっ、そんな証文いくらでも偽造できる。そうやって使い物にならなくなるまで君たちを出す気なんかないんだっ。成美さん、信じてくれっ、いやどうしたら信じてくれる?」
「お母さんは自殺だと言ったわよねっ、新聞には載った?」
「いや、そこまでは分からないが、調べてみるよ。それがあれば信じてくれるんだね?」
「それが本物ならねっ」
「よし、わかった」
また一週間後に山本はやって来た。当時の新聞を手に入れ、それを成美に読ませた。
「ううっ、お母さんっ、ああ、お母さんっ、なんでっ、なんでっ、ううっ」
「言葉がないよ」
「ううぅ、うっ、あなたを信じます」
気丈にも冷静に山本にこたえた。
「つらかったら話は今度にしようか」
「いいえっ、お願いっ、母はなぜっ、教えてっ」
「わかった。まず君たちがなぜこんなところにいることも含めて一から話そう」
成美一家の悲劇は、巧妙に仕組まれた罠からだったこと、母の自殺は父や姉妹を悲観してのもの、それらには冷泉財閥が裏で糸を引いていたことなどを話した。
「そう、そうだったのね」
口調は淡々とだが、心の中は怒りでいっぱいであった。
「僕は冷泉家に恨みがあって復讐を考えている。それを手伝ってもらいたいんだ、それが僕の話の本題なんだ」
「えっ、それはお手伝いしたいけど、わたしはかごの中の鳥だわっ」
「僕がここから出してあげる。もちろん妹さんも。そしたら頼みを訊いてくれるかい?」
「でっ、でもっ、どうやって?」
「結局はお金さっ、それは僕がなんとかする」


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