水揚げ-2
「あぁっ、真里子っ、体はっ、体は大丈夫っ?痛いことされてない?」
「大丈夫よ、お姉ちゃん。お姉ちゃんこそっ」
「ううんっ、私は大丈夫っ、何が起こってもねっ、もう割り切ったの」
「うんっ、そうよねっ、お父さんとお母さんのためだものねっ」
「ああっ、真里子っ」
「お姉ちゃんっ」
強く抱き合い、また泣いた。
「お取り込み中、申し訳ねぇが、お涙ちょうだいはそれぐらいにしてもらおうか」
トシは冷たく言い放った。
「水揚げが迫ってるんだっ、そそうがないようにしなくちゃいけないんだからなっ、泣いてるヒマはねぇぜっ」
「まっ、まさかっ、真里子の前でっ」
「へへっ、まさかもへったくれもねぇぜ、お前たちは他の女の仕草を知らねぇからな、お互いを見て勉強するのさっ」
「そっ、そんなっ」
「よく言うだろぉ、人のフリ見て我がフリ直せってね、へへっ」
「くっ」
「さぁ、じいさま、はじめるぜいっ」
トシとマツは二人に今まで仕込んできた様々なことを、それぞれが見えるように繰り返し、繰り返し行った。はじめは恥ずかしさもあってうまくできず、トシの叱責をもらったが、愛撫を加えられ、体がそれを求めていくと、もうお互いのことが気にならなくなっていった。また、逆にお互いの感じ方、奉仕の仕方など気になっていったのだった。
「くっ、んっ、んんっ、あっ、んっ」
(お姉ちゃん、すごいっ)
手と口と舌が一体となって男性自身を悦ばせる。自分には出来ないその動きに素直に感動してしまった。
「あっ、んんっ、あうっ、あんっ、あんっ、あっ」
(あぁ、真里子もやっぱり女なのね、あんなに感じて)
幼いと思っていた妹が男を惑わすような魅力を持っていることを認めざるを得なかった。
こうして長い一日が終わる頃、真里子はまた別の部屋に連れて行かれ、成美とトシが残された。
「さぁ、これで準備完了だっ、今日はもう終わりっ、ちゃんと寝るんだぞっ」
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、わ、わかったわっ」
「明日一日は体を休めるんだっ、食事は持ってきてやる、本も何か見繕ってきてやるよっ」
「・・・・・」
休ませてもらえたことなどないので、不安が頭をよぎった。
「心配するなって、本当に休みだっ、休養充分で水揚げに臨ましてやるよ、化粧もしてなぁ」
トシは出て行った。疲れ果てた体を横たえた成美は、その水揚げとやらがどうなるのかを心配しながらも深い眠りについていった。