前編 (2021/05/31)-4
「えー??」
浩平がびっくりして驚きの表情を見せる。
「そんなに驚くことないわよ。
あくまでも、授業で勉強したことの復習なの。
これは勉強よ。
保健の授業を受けて、復習して、
それで心配も解消ってこと。」
「でも・・・。」
「実はね、私もね、
中学生男子が本当にそうなるか知りたいのよ。
もし、私が教えたことが間違えていたら大変だし。
私にとっても勉強になるから。」
「えー、
でも・・・。」
浩平がまだ躊躇する。
「恥ずかしい?」
浩平がこくんと頷く。
「そうよね・・・、
それは分かるわ。
でもね・・・、
私も経験無いから、恥ずかしさは一緒よ。
恥ずかしい者同士、一緒に協力してやってみない?」
美咲はもう後には引けず、むちゃくちゃな理屈を言った。
「でも・・・、
そういう勉強って・・・、
してもいいんですか?」
浩平は不安そうに聞いてくる。
「もちろんよ。
勉強なんだからしていいの。安心して。
それに・・・、
これは浩平くんと私だけの秘密。」
美咲の口から出た「秘密」という言葉に、
浩平は敏感に反応した。
「秘密?
絶対に、秘密にしてくれますか?」
「もちろんよ。
絶対に秘密にする。
これから二人ですることは、誰にも絶対に言わないわ。」
「そっか・・・。
それなら・・・・。
・・・・・・・うん。
僕、試してみてもいいです。」
「本当?
よかったわ。
じゃあ、早速始めましょう。
念の為、保健室に行きましょうね。」
美咲は明るくそう言うと、浩平を連れて保健室へと向かった。
* * *