禁じられた恋-6
6.誘惑
毎年、年賀状の交換が続いた。
決まり文句以外に、交わす言葉が見つからなかった。
美希は、税理士取得の勉強を続けながら、税理士事務所で働いた。
佳和も、自分の好きな自動車を相手に、日々を過ごしていた。
キャリア社員の佳和には見合いの話が次々と舞い込んできた。
先輩から妹をどうかと話があった。
セミナーの講師の先生から、娘に一度会ってくれと話が来た。
社内の娘たちからも、それとなくモーションが掛かる。
佳和は失礼にならないように気を付け乍ら、すべて無視をした。
会社の創立記念にダンスパーティが開かれた。
学生時代に友達から習って、そこそこダンスの出来る佳和も久しぶりのダンスにはしゃいだ。
日ごろから、それとなく色目を使っていた同じ課の事務をしている久子が、この時とばかりに、佳和に接近をして来た。
久子は、ダンスが上手かった。佳和も調子に乗って、久子と踊り続けた。
パーティが終っても、久子はまるで佳和のパートナーのように振舞った。
佳和が残業をしていると、久子も居残ってお茶を入れたりして、帰りには一緒に会社を出る。
「お茶していかない?」
やがて、バーで一寸一杯になり、腹が減ったから飯でも・・・とエスカレートするのに時間は掛からなかった。
銀座のバーでほろ酔いになり、腕を組んで日比谷公園に入った。
久子が、乳房を腕に押し付けてくる。
佳和のペニスはキリキリと勃起をして、ズボンを突き上げている。
池の周りのベンチは、先着のカップルが抱き合って満席だ。
芝生の松の木陰で、唇を合わせた。
右手を久子の背に回して、左手で乳房を掴んだ。
ふうう〜〜っ
「あたし、今日は帰らないから」久子が呟く。