ババアは突然疾駆した-2
ある日、私が部屋で友達のみんとチャンと二人きりでおしゃべりしてると、ババアがドアを開けた。
「こんにちはー」みんとチャンは可愛くて、物怖じしない素直な女の子だ。だからババアのお気に入りだったりする。
そのババアが、不安そうな顔をしてみんとチャンに近寄ると、みんとチャンの首すじの匂いをかぐようなしぐさをして言った。
「アナタ…… 処女でなくなったのね。」
(おい、ババア。何言いだすのよ!)
「……はい。」
(みんとチャンも、何ハッキリこたえてるのよ!)
「強姦されたの?」
(ババア、なに一段と踏み込んでるのよ!)
「はい……そんな感じです。」
(みんとチャン、答えなくていいよ!)
「相手の男は何モノ?」
(ババア……頼むからやめてよー)
「親類のおじさんです…… この前親類が集まった時に、酔っぱらったおじさんが私を風俗のひとだと思いこんで、むりやり私に押しこんで来たんです……」
(……みんとチャン…… 私もここにいるのよ…… 私がそんな話聞いてしまっていいの……?そんなことあったなんて、私 鈍いから感じてなかったよ……)
「イヤなオトコだね。私の親類にいたらカラダ色々とへし折ってるよ。」
(私も……殴りつけてやる……)
「私が声出して、おじさんが気がついて離れてしまったから、最後まではいってないけど…… 血は出ていて……」
(うわ…… 親類関係とかの事情があるから、親とかにも言えずにいたんだろうな…… )
ババアが、みんとチャンの顔を見つめて言った。
「みんとチャン。今からオトコ呼ぶから、セックスしていきなさい。」
「お、お婆ちゃん……」私、声をあげてしまった。「何言い出すの。」
ババアは私を気にとめず、みんとチャンに言う。「アナタの処女をむりやり奪ったオトコへのリベンジに、アナタは童貞を奪ってやりなさい!今から知ってる童貞連れてくるから。」
「お婆ちゃん……それは変……」とババアを呼びとめたら、ババアは私をにらんで言った。
「めいとチャン。アナタはみんとチャンをシャワーでキレイにして、裸んままで私の部屋のふとんで待ってて。」
わかんない、わかんないけど言うこときくしかなかった。
ここでヘタなこと言ったって、ババアを止めることなんて出来はしない。
「じゃあ」みんとチャンが私に言った。「おばあ様のおっしゃる通りにして。」
(いやいや、みんとチャン。いつもの「晩ごはん作っていきなさい」とは違うんだけどなぁ……)