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僕と社長と不思議な彼女
【コメディ 恋愛小説】

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僕と社長と不思議な彼女-3

「そうか……確かに雇主の素性は気になるな……
私の名前は宮谷 冷[ミヤタニ レイ]
株式会社ミヤタニの社長だ」
…………

えぇ

「えぇぇぇぇぇぇ!!」

「そんなに驚かないでくれ」
それは無理な話だ
株式会社ミヤタニといえば今、世界で最も勢いがある会社だ
噂では、あの某ソフト会社の社長も出資したとか
社長が女性とは聞いていたが、こんなに若いとは思わなかった

「あのぉ……そのミヤタニの社長が、何故僕を?」

よりにもよって自殺志願者の高校生を雇いたいというのは酔狂が過ぎる

「いや、別に私自身はキミに興味がない」

さらりと酷い

「しかしな、私の妹がキミに興味を持ったらしい」

妹がいたらしい

「だから採用、社長秘書だ
頑張ってくれ
ちなみにキミには拒否権、その他諸々は存在しない」

露骨な職権乱用である
その他諸々とは何であろうか
葉月にできる事といえば、何も反論できない自分の気の弱さを恨む事位であった――





ブロロロロロ

葉月は、自分が今まで乗せられていたリムジンが走り去るのを眺めながら、色んな考えに頭を巡らせた

株式会社ミヤタニ
今更だが、すごい権力だと実感させられる
秘書として雇われる事が(半強制的に)決まってから約十分後には、高校を自主退学させられていた
まぁ、好きで行っていた訳ではないので気にはしないが……

『どうするかなぁ』

親はすでに他界しているから、働く許可はいらない
一応親代わりの叔父は、関心がないのか学校を休んでも何も言わなかった
だからこの件に関しても大丈夫だろう
残る問題は……

訂正
問題なし


大丈夫!宮島葉月、座右の銘は『流れされるままに』
実は結構図太いのだ!

「あぁぁぁぁぁぁ……不安だ……」

図太い……のだ?





あれから数日
葉月は、十七歳の(元)高校生秘書として社内ではちょっと有名になった
限られた空間内だけだが、嬉しい事である
給料も良いし、社長の冷も優しいしで、最高の職場だ

ただ、一つだけ不満があるとすれば……

「冷さん……何故僕には仕事が回って来ないのでしょうか?」

そう
雇われたのに仕事が滅多に来ない
来たとしても、書類を運ぶなどの作業だ
仕事もないのに雇うのは何故だ?


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