ある日の日曜-1
朝の9時過ぎ、沙織は迷っていた。
食事を済ませ、シャワーを浴びる。
そして、買ったばかりの新しい下着を着ける。
色気はないものの、白い清潔感のあるブラジャーとパンティを身につける。
そして、どんな服を着ていくか、、、、1時間以上も迷う。
結局、いつも通り、スーツで行くことにした。
今日はキャミソールは着ず、ブラジャーの上に、そのままブラウスを羽織る。
ブラウスからブラジャーが透ける、これが沙織の意思表示である。
<性欲はあります>
<セックスをしたいです>
という意思表示をしているつもりである。
もちろん、そんな自分の欲望を口に出すつもりはない。
間違っても、自分から誘うような真似は出来ない。
それは、沙織のプライドが許さないのである。
そのプライドが邪魔をして、今まで男っ気のない生活になってしまっているのも分かっていた。
このままセックスもなく、老いていくのはイヤだった。
ただ、学校の教師なんて、そう簡単に出会いがあるものではない。
野田との出会いは、千載一遇のチャンスだというのも理解している。
要は、沙織は、まだ自分自身の中で、整理がついていないのである。
11時過ぎに、家をでる。
野田の家に行くかどうか、まだ迷っている。
野田と会う約束をしている訳ではない。
行きつけのカフェに入り、コーヒーを飲んで、考える。
お昼の12時過ぎ、沙織は思い切って、野田にラインを送った。
『用事で近くまで来てるんですが、もしお時間があれば、伺ってもいいですか?』
もし野田に用事があって会えないのであれば、それはそれでいい。
今日は、あきらめようと思う。
野田は、近くのカフェで一人寂しくランチを食べていた。
『今は出先なんですが、1時ぐらいなら、もう家にいるから大丈夫ですよ。』
と、返信する。
野田の返信を見て、沙織はドキンとする。
カフェを出て、車に乗り込み、運転席で化粧を直す。
1時30分頃、野田の隠れ家に到着。
近くのコインパーキングに車を入れ、野田の部屋のチャイムを鳴らす。
『次の展示会の準備で、羽村市まで来てたので。』
と、言い訳がましく、沙織が言う。
紺色の上下のスーツで、スカートは膝丈。
膝から下は、肌色のストッキング越しに、綺麗な足が出ている。
上は白いブラウスから、胸の膨らみが見てとれる。
『先生、今日もお綺麗ですね。』
と、思わず野田が口にする。
野田は、ハンガーを出して、沙織のジャケットを掛ける。
ふと見ると、白いブラウスからブラジャーが透けて見える。
白いブラジャーは、白いブラウスから、よく透ける。
ブラジャーのホックまで、はっきり見てとれる。
白いブラウスから透けて見えるブラジャーのライン、タイトスカートから出た、ストッキング越しの脚を見ると、野田は堪らなくなった。
沙織の絵を見せてもらい、次の展示会の話などを聞いた後、野田はふと言葉を発した。
『男の人の部屋にやって来て、心配じゃないですか?』
すると、沙織は黙ってしまう。
『僕も一応、男なので、魅力的な女性が目の前にいたら、間違いが起こってしまうかもしれませんよ(笑)』
と、笑いながら野田が言う。
しばらく間が空いて、沙織が言う。
『私、魅力ありますか?』
『ありますよ。十分、魅力的です。僕はお世辞は言わないので。』
『特に、今日みたいにスーツ姿の先生、凄く魅力的ですよ。』
野田は、そう言いながら、沙織の肩を抱き寄せる。
ビクッとするものの、嫌がる素振りはない。