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喪服を着た義妹
【熟女/人妻 官能小説】

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喪服を着た義妹-10

10.  悦びも悲しみも
 和子は、股間のティッシュを押さえて、トイレに走った。
 小水が終わると、膣からとろりと粘液が流れ出した。昨夜、父の棺の前で始まった健志との愛の交歓の名残りだ。
 思いもかけない晴天の霹靂というか、どんでん返しの成り行きに頭が付いていけない。積年の悩み、健志への想いと自分が大器の持ち主だと言う劣等感が一瞬にして消え去って、歓びに代わった。
 
 感傷に浸っている暇はない。今日は葬儀の日、もう直、葬儀屋が準備にやってくる。
 キッチンに入ると、冷蔵庫から買い置きのソーセージを取り出した。
「もうあなたに用はないわ」
 フライパンに乗せる。
 キッチンテーブルに、卵2個の目玉焼き、ソーセージ、キャベツの細切り、バターを付けて二度焼きした厚切りトーストにコーヒーが並ぶ。

「ああ、朝飯か、久しぶりだ、コーヒーがいい匂いだね」
「今日一日、よろしくお願いします」
「OK任せてくれ、体力に自信はある」


 落合の火葬場から遺骨が戻ってきた。
 祭壇は片付けられてがらんとした居間の奥の経机に、遺骨と線香、ローソク、おりんが祀られた。
 
 弔問客が帰り、ポツンと残された遺骨の箱を見ると、今更ながら亡き父が手の届かぬ冥途に旅立ったことが思い知らされる。
 「お父さん、ありがとう」
 和子には、どうしても昨夜の健志との結びつきが、父の差し金であったとしか思われなかった。
 「お父さん、あたし、健志さんと幸せになります」
  
 今夜も健志はこの家に泊まってくれるだろう。昨夜からの目まぐるしい健志との愛の悦びが、再び訪れる。
 今夜だけじゃない。これからずっと続く筈の健志との生活を考えると、〜〜〜。

「ベッドを、ダブルに替えないと、〜〜〜」
 棺の前で、風呂場で、ベッドで〜〜〜繰り返された健志との悦びがフラッシュバックする。
「お父さん、ありがとう」父を思えば涙が込み上げる。健志を思えば、頬が緩む。
                              (ごきげんよう)


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