浮気の後の夫との性交2-1
翌日ケンイチは、恐ろしくてなかなか家に帰れなかった。
もし家にユウコがいなかったらどうしよう。
もしかしたら家にはタナカがいて、ユウコはもらった、などと笑いながら言うかもしれない。
ビジネスホテルを出て普段やったことのないパチンコ屋に入ったり、ショッピングモールをぐるぐる歩いたり、漫画喫茶で頭に入らない漫画のページをめくったりして夜まで時間をつぶした。
二人の性交の様子は興奮したが、かつて付き合っていた時の話を聞くと胸が痛んだ。
そして性交の仕方を教え込んだ自分より、タナカの凶悪なまでに大きな男根に魅せられてしまい、尻を振るユウコの姿を見るのもつらかった。
つらい、悲しいと思いながら、いつも男根は大きくそそり立ち、今日はついに録画までしてしまった。
一刻も早く見たいと思ったり、すぐに消してしまおうと思ったり、考えは一向にまとまらず、股間を膨らませたり萎ませたりして気が付くと家の前だった。
家に明かりがついているのを見てほっとし、昼の妄想のように、タナカがいないことを願いながら玄関のドアをそっと開けた。
玄関にタナカの靴はなかった。
当たり前だ、そう思いながら、ケンイチは大きな息をついた。
リビングからユウコが顔をのぞかせ驚いた声をした。
「びっくりしたー。いつの前に帰ったの?全然気づかなかった。」
部屋の奥からはテレビニュースの音が聞こえ、ユウコは全くいつも通りであった。
「食事はしたの?お友達の様子は?」
ケンイチには、何か不審なものを見つけられないかとおびえているように見えた。
「まだ少しは大丈夫そうだが……ちょっとさすがに疲れたな……」
ケンイチはなるべく平静を装い、リビングに入った。
ユウコはケンイチが何も言わないのにビールの用意を始め、とりとめのない話をつづけた。
「あれっ?」
ケンイチは小さく言った
「え?」
慌てた様子でユウコが振り向くと、
「なんか変なにおいしない?……生臭いみたいな……」
ユウコはキッチンで棒立ちになり、次に慌てた様子でごみ箱を見た。
「ごめんなさい、ごみ箱の蓋が少しずれてた」
「そうかその臭いか……」
ケンイチがごみ箱によると、ユウコは慌てて蓋を押さえた。
そこにはタナカの精液をたっぷり含んだティッシュが山ほど捨てられているのだ。
「とりあえずビールちょうだい。つまみは後からでいいよ。」
ケンイチは急に興味を失ったような顔をしてそう言った。