キャンサーの女 母性の章-4
亀頭を花芽に押し付け回転させて返事を待っていると呻きながら彼女は頷いた。
濡れてはためく花びらをかき分けて柔らかい肉ひだの中へゆっくりと侵入する。
「あっ、ああ、あん、ああああっ……」
許したような諦めたような甘い声が聞こえる。
「全部入ったよ。あったかいね。女将の中は」
「ああん、だ、だめええ、あうう」
ピストン運動を始めると彼女は腰を浮かし僕が動きやすいようにサポートした。こんな時にまできめ細やかな気配りを見せる彼女が愛しく、是非感じてもらわねばという使命感を感じた。蟹座の女性はガードが固く簡単に肉欲には溺れない。セックスに対しても自分の快感を得ようと積極的に動くタイプではない。行動に積極性を見せる時があるとすれば『育む時』だ。
「どこが気持ちいい?」
「あ、ああん、ぜ、ぜんぶ、いい、で、す」
気を使って正直に言わない。
「お願いだよ。僕に感じさせて。女性一人満足させられないなんて、男として辛いんだよ」
「あっ」
「うっ」
きゅっと彼女の中が締まる。僕は上体を起こして繋がったまま彼女を見下ろした。和服の濃紺が豊かな乳房と股の白さを強調している。腰の半幅帯がかろうじて前を閉じ合わせているが帯としての機能はなくウエストのくびれを演出している。彼女のくびれをつかみ己の腰を打ち付け膣の奥まで肉棒を突き入れる。
「あぐうっ。ひ、緋月さん、あっ、あの、だめ。あ、お、おねが、い。離れないで……」
「そうか……。ごめんね。でもこの帯外させて」
彼女の腰を浮かせ結び目をほどきシュルっと帯を外す。襟元を持って脱がし両肩のを抜く。首から肩のラインは和服が似合う人らしくなだらかで少し張った宵月のようだ。白い足袋だけ履いた身体を眺める。
「綺麗だ……」
メリハリは少ないが豊かな乳房と張った腰の曲線が滑らかな卵のようで美しい。
優香の身体に沈み込むように身体を密着させると、しっとりとした潤った白い肌がむっちりと僕の身体に張り付いてくるようだ。――こういうのがもち肌なのかな。
「あ、ああ、はあ。いっぱいくっ付いて……」
隙間がないように密着し口づけを交わす。これ以上ないくらいのディープキスで舌と舌を絡め唇を吸い、腰を回転させるように動かした。
「うむうう、っふううぅ、あふう。は、はっ、き、きもち、いい……」
激しく突き上げるよりじっくりと時間をかけ繋がっている実感があることが優香にとって一番の快感に繋がるようだ。あまり動かないでいると萎えなくもないが彼女の豊かな乳房を揉みしだくと回復する。手の中に余る張りのない乳房は柔らかく子供のころに遊んだスライミーを思い出させる。
「どうかな。僕、上手にできてるかな」
「ああん、あん、あああん、ひ、づき、さあん、とっても、上手。こんな、きもちい、いの初めてぇ。ああ、あああん」
股の間から愛液が滴り、腰を動かすたびにぐじゅぐじゅと卑猥な水音が流れる。
「ああ、すごいな。おつゆが溢れだしてきてるよ」
「やだあ、だめ、ああ、ううう、ふうううっ」