週末の浮気性交1-1
土曜日の朝、ケンイチはあわただしく家を出た。
「日曜日の遅くには帰れるようにするから、よろしくな。」
「分かった、気を付けてね。」
ユウコはいつものように、玄関先で明るくケンイチを見送った。
ケンイチは、週末に不在になることをタナカにさりげなく告げてから、必ずユウコに連絡を取るものと思っていた。
しかし電話でもメールでも、メッセージでも、一向にやり取りしている様子はなかった。
ケンイチは、駅前のカラオケ屋で数時間を過ごし、歌いたくもない歌を歌いながら、時折Webカメラの映像で家の様子を監視した。
ユウコは家事をしたり、ぼんやりテレビを見たりして、普段と変わりのない週末を送っていた。
もしこのままであるなら、わざわざビデオをセットして、芝居をした甲斐がない。
ジリジリしながらケンイチは数時間をカラオケ屋や、ネットカフェをはしごして過ごした。
夕方になり、ケンイチは数駅離れたところにあるビジネスホテルに移動した。
ベッドと小さな机があるだけの、殺風景で典型的なホテルである。
そこで酒を飲みながら、ホテルのWifiにつなげたタブレットPCで家の様子を監視し続けた。
しかし画面は一向に代わり映えしなかった。
もしかしたら俺は間抜けなことをしているのかもしれない。
ケンイチがそんなことを思いはじめ、ウトウトして気が付くと、ユウコは電話で誰かと話していた。
時計を見ると8時近かった。
「え……?これから……どうして……っていうか無理です……ケンイチさんは田舎に行きましたけど……駄目です、駄目です……」
ユウコは前かがみになり、あわてた様子で話していた。
ケンイチはやっとこの時が来たかと安堵した。
電話の相手は間違いなくタナカだ。
夜まで待って、家に来るとユウコに電話をかけたのだ。
ユウコは、いつものように、口では拒みながら、紅潮した顔で、喜色満面にタナカと受け答えしていた。
「でも……来てもドア開けませんよ……ダメ、ダメです……この間はあれで最後です……そういったでしょう?」
甘えた口調の楽しむような会話がしばらく続き、電話が切られた。
ユウコは小走りで風呂場に行き、シャワーを浴びた。
そして入念に濃いめのメイクを始めた。美しい切れ長の目はさらに魅力的に大きく、美しく見えた。
それから寝室に行くとタンスを開け、普段ケンイチが買い与えた性交用下着が詰まったタンスを開け、中を覗き込んだ。
脱がなくても男根を性器に入れられるもの、単なる紐で、性器に食い込み、尻を強調するもの、派手なフリルが付いているもの、薄い生地で性器が丸見えになるもの、様々なものがあった。
その中からユウコは、以外にもオーソドックスなビキニスタイルの黒い下着を選んだ。
尻は半分しか隠れず、上のほうの割れ目は丸見えであった。
その上から尻はやっと隠れるくらいの白いワンピースを着た。
身動きするたびに黒い下着が見え隠れするくらい短いもので、大きな尻肉が揺れるのがわかるような、男を喜ばせるための服である。