野犬狩り-1
野犬狩りに捕えられた変態女は、それまで騙していたすべての人たちに謝罪しなければなりません。もちろん、本当の意味で「すべての人」に謝るのは物理的に不可能なので、直接謝罪するのは会社の同僚や下宿の大家さんなど。その様子を撮影し、ネットにアップすることで、ほかの人たちへの謝罪とします。
そんなわけで――。
自らが変態であることを認めた祥子先生は、すぐさま勤め先である蓬津県立比良坂学園に連れて行かれました。
口にボールギャグを噛まされ、細いうなじに紅革の首輪を巻かれ、両手は腰のうしろで縛られています。頭にすっぽり頭陀袋を被せられているのでなにも見えず、首輪から伸びる鎖で牽かれるまま、白い背や丸い桃尻を警棒で小突かれながら、緩い緩い坂道をフラフラヨロヨロ登っていきます。
(う、うぅ……)
顔を覆う頭陀袋の中、ボールギャグを噛まされて閉じられない口から、涎がだらだらと穢らしく溢れてきます。
衣服はなにも着けていないので、たわわなオッパイが一歩ごとにたぷん、たぷん。股間を彩る和毛の茂みからはいまだにポタリ、ポタリと小さな滴が落ちていて、裸の美人女教師が歩いた跡を明確に残しています。
警棒に打たれた脛は、骨こそ折れていませんがヒビは入ったらしく、紅く大きく腫れてズキン、ズキン、と強烈な痛みが拍動しています。だから、裸の美人女教師の歩みはカタツムリのように鈍く、周囲を取り囲んだオジサンたちはせっせせっせと警棒を振い、祥子先生の細い腕や薄い背中、丸いお尻やムチムチした太腿をバッシバッシと叩きます。
緩い坂道の左右には家々が立ち並んでおり、
「まぁっ! 野犬狩り? この辺りにも変態女がうろついていたの? いやぁねえ」
「いったいどこの変態かしら? 気持ち悪いわねえ」
朝っぱらから井戸端会議をしていたオバサンたちが裸で連行されている美人女教師に気づき、眉を顰めます。
頭に頭陀袋を被せられた滑稽な姿ながら、伸びやかな手足や豊かな乳房、小気味よく括れたウエストや艶めかしく肉感的な桃尻など、シルエットの美しさは隠しようがありません。身体中が痣だらけでも、擦り傷から滲んだ血に汚れていても、肌には若々しい張りがあり、長い髪には艶があり――。
「乳首もアソコも丸見えで、恥ずかしいわねえ」
「ダメよ奥さん、そんなこと言っちゃ! 変態って、そう言われると悦んでしまうんだから」
やっかんだオバサンたちは敢えて大きな声で会話します。
(やめて、イヤ……見ないで、見ないでぇ……)
痛む足を引きずりつつ、剥き出しの背や尻を堅い警棒で打たれながら、ふらふら、よろよろと歩き続ける裸の祥子先生。
ブラジャーに支えられていない剥き出しの巨乳が一歩ごとにゆさゆさ、たぷたぷ。腕が自由ならバランスを取れたでしょうが、うしろ手に縛られているためにそれも出来ず、大きすぎる乳房のせいで右へ左へ揺れてしまいます。
硬くざらざらとした石畳はただでさえ柔らかな素足に痛いのに、わずかな傾斜があるためにときどき蹴躓いてしまいます。足裏が擦り剥けて血が滲み、爪先をぶつけるたびに足の爪がめくれそうになり、釘を打たれたような激痛が脳天を突き抜けていきます。
学園に着けば着いたで――。
「うわ、なにアレ? 変態?」
「なんで変態がうちの学園に……」
「え? あの変態、うちの学園の関係者?」
「あの身体つきは、生徒じゃないよな……え? ひょっとして……」
「祥子先生だ! あのオッパイは、祥子先生だよッ!」
朝練をしていた運動部の生徒たちが徐々に集まり、頭陀袋を被せられて連行されている裸美女の正体をすぐさま言い当てます。
それほど大きな学園ではないので先生の数は限られていますし、若い女教師となればなおさらです。そのうえ、一歩ごとに重々しく弾む巨乳と桃の実のように丸く大きな美尻を見れば、元グラドルの桜木祥子先生だとすぐに思い当たるのです。