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妻を他人に
【熟女/人妻 官能小説】

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爛れた日々-1

 セックスを覚えて間もない若者たちが、快楽に溺れるのは必然だった。
 それからの四人は、集まればセックスするようになる。

 主導するのは常に男たち、とくにDだったが、女の側も受け入れていた。この関係に疑問を感じないわけではない。しかし身体にはすでにあの日の記憶が刻まれており、いざそういう雰囲気になると断れない。
 そもそも誰に迷惑をかけるでもなく、自分も含めて皆が楽しんでいる状況では、つい「まあ、いいか」となる。楓ほどの女性でもそうだったし、楓がオーケーならとゆきも流されるまま身体を許した。
 ゆきについてさらに言えば、断ってDの興を削ぎたくなかったし、自分のいないところでDが楓とするのも絶対に許せなかった。そんな事情もある。

 もうひとつ。この爛れた関係を断ち切れない、より深刻な理由があった。皆が気がついているのに誰一人口にしようとしない、いや、できない理由が。

 すなわち、セックスの相性である。

 海岸の民宿で初めて交わった時点で、ゆきはもう気がついてしまった。DよりEとのセックスのほうが気持ちがいいのだ。楓も、Eのペニスはときに痛がる様子が見られる反面、Dとは心置きなく挿入行為を楽しんでいるように見受けられた。男たちも、自分のペニスでより淫らに喘いでくれる女を好むのは当然のことである。

 これはゆきには堪えた。大好きな恋人が、自分より他の女性とセックスしたがっているのだ。その原因が自分にあることもわかるから余計に辛い。今でもDと二人の行為では十分気持ちよくなれるしオーガズムを得ることもできる。そもそも最初に大人のセックスの快楽を教えてくれたのもDである。ゆきにとってDとの行為に不満などあろうはずがない。
 しかし、4PでEに挿れられた後だけは、Dのペニスではどうしても挿入感の不足を感じてしまう。恋人に感じているフリをせざるを得ないのも、ゆきにとって悲しいことだった。

 楓は楓で、結果としてゆきからDを取り上げる形になることが、心苦しかった。ゆきのやきもち焼きを知っていたのでなおさらである。
 その一方で、一年以上じっくり愛を育み、常に誠実であったはずの恋人Eが、一年生の後輩女子とのセックスに夢中になっている姿を見せつけられて傷ついてもいた。ゆきとしているときのEは、ゆきが壊れてしまうのではないかというほど腰を振る。自分なら痛くて拒絶してしまいそうな激しい陰茎の抽送を、自分よりも小柄で華奢なゆきが髪を振り乱して受け止め、喘いでいる姿は可憐で、健気で、いやらしい。恋人の自分こそが、Eにあのように愛されたかった。それができない自分の身体は、女として欠陥品だと言われているようで辛かった。
 Dとのセックスは、そんな楓の傷心を癒やしてくれた。自分との性行為を心から楽しんでくれる男性の存在に楓は救われたし、実際楓にとっても、EよりDの男性器の方が気持ち良かった。

 要するに四人全員が、パートナーではない方とのセックスを欲していた。
 悲劇的なまでに、ゆきとE、楓とDの身体の相性は完璧だった。

 夏が終わり、秋を迎えるころには、週に二、三度という高頻度で四人プレイを楽しむようになっていた。二人きりでいるとき、ゆきはDとの時間をもっと増やしたい、皆でする回数を減らしたいと訴えたことがある。Dもそのときはわかったと言ってくれたが、あまり変わらなかった。

 この辺りは男女の違いなのかもしれない。男の場合、どんなに恋人や妻を愛していても、あわよくば他の女性とセックスしたいと思ってしまう。そういう生き物なのだ。ましてパートナー公認で、ミスコンで入賞するレベルの才色兼備の美女とセックスでき、身体の相性も抜群とくれば、ブレーキをかけるのは不可能である。プレイボーイを卒業したはずのDも、本来誠実なはずのEも、オスの性から自由ではいられなかった。

  *

 女たちが揃ってマゾ体質だったのも行為をエスカレートさせた。

 もともと女性は、男性の射精を促すという目的のため、豊かな乳房や尻、いやらしい喘ぎ声などで男性を悦ばすよう淘汰されてきた生き物である。一部の女性はこの傾向を「マゾ体質」としてさらに発展させ、男性の嗜虐行為を悦んで受け入れる性質を持っている。そうすることでオスのセックスの相手に選ばれやすくなり、他のメスより多くの優秀な精子を獲得する、メスとしての生存戦略なのだ。
 ゆきと楓も、男たちの足元に跪き、男根へ奉仕し、尻を叩かれ可憐に鳴き、その姿を指摘され辱められて股間を濡らす、そうして男たちが興奮し勃起することに悦びを感じる女だった。

 ある日のプレイ中、さんざんに焦らされ、挿れてほしくて愛液をとろりと垂らすゆきに、Dは「いつものやつ」を皆に見せるよう命じる。「なんのこと?」ととぼけるゆきも本当はわかっている。今や二人の間では定番かつお気に入りの、しかし人には絶対に見せられない行為。
 すでにペニスが欲しくてたまらなくなっている美少女の白い肌はじっとり汗ばみ、紅潮している。Dに言われたことが恥ずかしくてもじもじしている、その動きに合わせて、小ぶりな乳房がぶるんと揺れる。

 Dがゆきの背後にまわり、脚を開かせた。
「……ゃん……っ!」
 慌てて股間に手をやり隠すゆき。濡れそぼった陰毛の合間から、くすんだ色の汚らしい花びらがちらりと覗く。
 Dの指が、薄い焦げ茶の乳首をはじく。「んん……!」と眉間に皺を寄せ、しかしはにかみ笑いでなんとか耐える姿がいじらしい。

「ほら、昨日も俺に見せてくれたじゃん」
「ん、んん……。ひょっとして……『あれ』……?」
「そう、あれ」
「できないよ……ぁ……んふっ!」
 恥ずかしい吐息が漏れる。Eと楓の視線が気になる。二人とも「なになに? 見せてよゆきちゃん」と興味深々で見つめてくる。
「ほら、みんな見たいって……ちょっとでいいから。ね、おねがい……」


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