鈴木家での出来事 3 闇の中の狂宴-1
一方その頃……。
明日香はこの暗闇を利用してなんとか征爾と思い切り抱き合いたいと考えていた。
挨拶代わりの場面では、征爾は明日香と身体を重ねることを避けたようで、
娘の未来を抱き続けていた。
明日香のことを気にしてくれてもよさそうなのに、
征爾は田辺への遠慮なのか、それとも明日香自身へのわだかまりなのか、
いずれにしても明日香には見向きもしなかった。
自分のことを無視して、娘の股間を舐め回し、
娘のオマ〇コにあのペニスを突き刺している征爾の姿を、
少し離れたところから視線の片隅に置きながら、
征爾の息子である敏明のペニスを舐めている自分は、
いったい何なのだろうと明日香は感じていた。
かつての恋人である自分を差し置いて、しかもあえて無視するような態度をとり、
自分の娘である未来を愛撫し、あのペニスの一撃を加える征爾。
未来の喘ぎ声が聞こえるたび、明日香は明らかにジェラシーを感じていた。
地下室の照明が落ちる直前まで明日香は伏目勝ちではあったが、
征爾からずっと目を離さずにいた。
征爾も、そんな明日香の行動には気づいているような気がした。
挨拶代わりのセックスから今まで、
明日香に触れてこなかったことを、征爾なりに気にしているはずだ。
明日香はそう願っていた。
だから、明かりが消えた瞬間、明日香は何の迷いもなく、
征爾が立っていた場所に向かって歩き始めたのだった。
もちろん、征爾がどういう行動に出るかはわからない。
未来とまだ続きをしたいと考えているかもしれないし、
こんな状況の中で、敢えて妻である麗子を選ぶことだって考えられる。
ただ、いつ暗くなるかのタイミングもわからずに、
アイコンタクトでも交わさない限りは誰と出会っても偶然ということになる。
その中で、明日香は敢えて征爾に狙いを定めて歩き出したのだ。
(偶然と言えば偶然。でも、それを意図しての偶然ならば、それは必然よ。)
明日香はこのタイミングを逃したら、
もう二度と征爾とはうまくいかないような気がしていたのだ。
明日香は自分の手が、身体が、征爾の身体に、征爾の手に、必然として、
触れることを期待しながら歩いた。
(もうそろそう反対側の壁のはず。征爾さんはいなかった……。)
そう思って伸ばした明日香の手が壁に触れた。
征爾はさっきの位置にはいなかったのだ。
(わたしと征爾さんは、やはりつながってはいなかったんだわ。)
明日香がそう思った時、不意に明日香の左側から手が伸びた。
「えっ?」
明日香は思わず左を向いたが、もちろん、何も見えない。
しかし明らかに人の息遣いがする。
明日香の身体に触れたその手はすぐに明日香の腰へと回り、
明日香はその手に抱き寄せられた。
「待たせてごめんね。」
耳元で囁く声がした。
(征爾、さん?)
征爾は明日香を抱き寄せたまま、壁伝いに部屋の隅へ移動した。
そしてちょうど角の所に来ると、改めて明日香の耳元に囁いた。
「君は昔から暗いところを歩くときは、ボクの頼りきりだった。
だから体重が右に偏っているんだよ。
まっすぐ歩いているつもりでも、少しずつ右側へそれていく。」
「あ……だから。」
「そう。だから、わたしの真正面にたどり着かなかったということさ。」
「じゃあ、わたしのことを……。」
「ああ。明日香の目を見てわかったよ。わたしの所へ来るつもりだなってね。
そして、君はおそらくわたしの左側へたどり着くこともね。」
あとは言葉はいらなかった。
二人は手を伸ばし、互いの首に回し、熱いキスを交わした。
その後征爾は身体の位置を入れ替えると、
明日香を壁に押し付け、その片足を抱き上げた。
そして腰をかがめると、明日香の股間に、いきなりペニスを突き立てた。
「あうっ。」
征爾のペニスは正確に明日香の割れ目をかき分け、
明日香の一番深いところの壁をいきなり突いたのだ。
「あ、あ。い、いいわ。いきなり……。」
「昔はこの強引さが足りなかったみたいだからね。」
征爾は再び耳元でそう囁くと、下から激しく突き上げ始めた。
明日香の身体が壁にぶつかり、次第に浮き上がるほどの突き上げだった。
征爾は壁が音を立てるほどの勢いで腰を打ち付けていく。
明日香の身体が持ち上げられるほど、
高い位置から明日香のオマ〇コが征爾のペニスめがけて落ちてくることになるのだ。
明日香は声を出してはいけないルールを思わず忘れるほどの声を上げ始めた。
「あ、あうっ。あ、ああ、。い、いいわ。そ、そこ、あ、あ、あ。
征爾、さん。あ、そこ、そう、もっと、もっと……。」
地下室にいた誰もが、明日香と交わっている相手が征爾であることを知った。
しかし、おそらく誰も驚きはしなかっただろう。
田辺でさえ、自分からそのことを勧めたほどだ。
娘である未来はもちろん、息子である将来も、
自分たちの母親がかつての恋人に抱かれることを願っていたのだ。