マザコンと呼ばないで-2
エスカレーターでブランドショップの階に上がっていきます。
今は感染症対策で入店制限しているのでショップの入口で順番札をもらって携帯に知らせが入ります。
順番札をもらった奥様が時間の潰しかたを考えてます。
丸顔でぽっちゃり気味の40代前半の小マダム。
「すみません、少しお話し、いいですか。」
「え、私?」
周りを見渡して自分以外に人がいないのを確認しています。
「はい、少しでいいので、時間有りませんか?」
「は?なに?ナンパ?」
「はい、そうです、あまりに素敵なので勇気出しました、ぼくもこんな事始めてです、ダメですか?少しでいいです、お話し出来れば。」
奥さま少し笑ってます。
「そうね、30分ぐらいならいいわよ、ショップの予約があるからね、そこのカフェにしましよ。」
心のなかでガッツポーズです。
カフェで飲み物を頼んで向かい合わせです。
「あなた 高校生ぐらいじゃないの、オバサンに興味あるの、残念ながら私には年下すぎるからダメね。」
「いえ こうやって話せるだけでいいです。声も素敵です。ぼく下品な人、ダメなんです、上品で髪も肌も手入れが行き届いて、本当に綺麗です、今を逃すと2度と会えない気がして、すみません。」
「そこまで言われると嫌な気はしないけど、口がうますぎるわ、本当に高校生?」
学生証を見せました。
「本当に高校生ね、でも私あなたのお母さんより年上かもよ、そんな年上に興味があるの?」
「すみません下の名前だけでも。」
「真紀よ。」
「年上だからとか年齢じゃなくて、真紀さんだからです、年齢は知らないですから。」
「ふ〜ん、あなた見た目もカワイイしスタイルもいいから若い娘にモテるでしょう、まあ連れて歩くのには見栄えがいいけど、う〜んどうしよう……分かったわ 今からショップに行くからついてくる?」
「え?ほんとに、いいですか、ありがとうございます、緊張するなぁ、嬉しい!」
「バカね、フフフッ。」
超高級ブランドです、35万円のバッグと15万円の靴をお買い上げてす。予約注文だったのに商品の確認と包装に30分もかかってました。
その間に真紀さんの事や自分の事を色々話せて良かったです。
真紀さんの旦那様は輸入車の販売会社で20才年上だそうです。
子供は旦那様の連れ子が2人いますが真紀さんとの間にはいません、真紀さんは子供が出来ないそうです。