エピローグ-1 「あはよう」 カーテンから光が射すなか朝食を食べ終えてコーヒーを啜る美智子に声をかけた。 「おはよう。ごめん、もう行くね。冷蔵庫に食パン入ってるから焼いて食べて」 「分かった」 玄関まで通勤する美智子の背中を見送ったあと、眠気眼のまま食卓の椅子に座った。しばらくぼうっとして、美智子が残したコーヒーを一口飲んで目を覚まそうと思った。