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脅迫文=恋文?
【コメディ 恋愛小説】

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真夏の夜=2人っきりの夜(後編)-2

「え〜、ではこれから、夏休み恒例の行事を行いたいと思いまっす!!!」
夜、いきなり独がハイテンションでそう告げた。明日帰るので、勉強は夕方までだったのだ。
リビングで食後の一時を過ごしていた俺たちに、独はテンションを変えずに話し続ける。
「恒例行事?」
「そう、恒例行事!!」
首を傾げるみんなに対してテンションが右上がりの独だ。端から見れば、ものすごく馬鹿に見える。
「花火?」
八木がそう言った。確かに夏ってったら、花火だよな。
「あ〜、花火もやる!やるけど、その前に!!」
即座に否定した独に、俺は一抹の不安を覚える。
「まさか、肝試しじゃねぇだろうな」
いや、まさかそんなベタな。だいたい高校生になってまで、何故に肝試しなんぞしなけりゃ………。
「ピンポンピンポーン、大正解!!!」
ま、マジで………?
「お、俺はパス」
「なんだぁ、憲。怖いのか?」
ギク。
「……何を馬鹿な。暑さが頭がイカレたか?怖いはず無いだろうが」
「昔は結構ビビってただろ?」
ムカ。
「いつの話だ。小学生かそこらの話だろ。参加してやるよ」
「よっしゃ、なら八時に家出るからな」
………どーしよ。


夜………。あぁ、来てしまった。
目の前ではノリノリでどこから仕入れたか知らんが、ここにまつわる怪談話を披露している馬鹿が一名いるわけだが。
あぁ、どうせならこいつを今ここで始末して怪談話を増やしてやろうか……って、俺なに考えてんだ?
「……てな訳でぇ、ここには玉砕した兵隊さんの霊が出ると………」
うぅ、勘弁してくれ。
「ルールは簡単だ。この先に俺が仕込んどいた割り箸を取ってくるだけ。まぁ、往復で20分ってとこかな」
20分………。
「じゃあ、まずは憲と白雪から」
なっ!?
「何故だ!?」
「いやぁ、さっきアタシがじゃんけん負けてさ」
横の白雪が苦笑いをしながらそう告げた。
い、いつのまに………。
「てな訳で、行ってらっしゃーい」
………ちくしょう。独の奴、わかってて楽しんでやがる。



薄暗い道を白雪と二人で歩く。はっきり言って、マジで心臓がヤバい。
「……うぅ」
「どーした?憲ともあろう者が怖いのか?」
顔はよく見えないが、意地悪く笑ってるのがわかる。
「だ、誰が!!」
あぁ、怖いさ!怖くて悪いか!!
だけどなぁ、こんな情けない俺をお前に知られる訳にはいかないんだ。だから、必死で強がらせてもらう。
「怖い訳あるか。なんだ、幽霊ぐらい。出るなら出てみろ」
ガサッ
「うわぁぁ!?」
いきなり横手の草村から気配がする。
ああ言った手前、本当に出てきたのかと思って、マジでビビった。
「………鳥みたいだぞ」
「……へ?」
…………………。
「やっぱり怖いんじゃないか」
「う………」
「苦手なら、そう言えばいいじゃないか」
「そ、そんなみっともない真似ができるかよ」
「みっともないか?……まぁいいや。で、なんで怖いんだよ」
仕方ない。これ以上醜態さらすより良いだろう。


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