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脅迫文=恋文?
【コメディ 恋愛小説】

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真夏の夜=2人っきりの夜(後編)-1

『……あ、あぁ……………あぁーーー!!!!』
下から白雪の絶叫が聞こえてきた。聞く限りではかなり悲劇的な事が起こったみたいだ。


『真夏の夜=2人っきりの夜(後編)』


目をこすりながら、白雪がいるらしい洗面所へと向かう。顔を出してみると、頭を抱えてうずくまっている白雪を発見。
「……どーしたぁ?」
「………………」
俺の声で顔をあげた白雪はフルフルと、横に顔を振るだけだ。あまりの事に、声すら出ないらしい。
「……なんか、あったのか?」
「………………」
「黙ってたら、わかんないぞ。一体どうしたんだ?」
「………き、昨日の夜………」
昨日の夜………おっとイカン。顔が赤くなってしまう。
「………バレたのか?」
というか、聞くまでもないな。
「………声が大きいって………」
………………そりゃあ、うずくまるわな。あーあ、だから言ったのに。
ん、何か後ろからの視線が痛い。
「「…………………」」
「………何だよ」
「「別にぃ」」
だったら見るなよ、ニヤニヤしながら。
「お熱い事で」
「いや、全く」
孝之と独が二人して頷いてる。ふん、人のこと言えんだろが。
ま、かまってる場合じゃないし、無視だ。無視!
かと言って、白雪に今話しかけたら、傷を広げかねんな。
と言う訳で、俺はささっと洗顔を済ませてリビングへと向かったのだった。


暑い………。
三泊四日の行程。現在三日目。実質的には最終日だ。明日帰るからな。
南の島に来たってのに、一日しか遊んでねぇ。今日も朝から勉強漬けと言うわけだ。まぁ、今は休憩なので、ちょいと外の空気を吸いに出ているが………あと5分で再開。
世知辛い世の中だ。
とは言え、大学目指してるからには、勉強しなきゃ道は開けんのだ。
大学に入って、俺は考古学を勉強したい。
実は、俺の爺さんは考古学者だ。今でも恐ろしい位、元気に世界中を飛び回っている。齢七十を超えて、腹筋が6つに割れてるのは、多分うちの爺さんぐらいだろうな。空手六段だし。
発掘現場を襲ったゲリラを素手で撃退した……なんて噂まで立ったくらいだ。もちろんデマだろうけど。
はっきり言って、まともに相手をするのが疲れる位なのだが、尊敬はしている。
爺さんに会う度、面白い話を聞かせてもらった。考古学者になりたいのは、多分それが原因だ。
そのためには、今頑張りどころだ。近隣の大学で、本格的に考古学が学べるのは「神流崎大学」だけ。
考古学部は偏差値も倍率も高い。はっきり言って、今のままではちょっとマズい。
だけど、諦められない。それが夢だからだ。
だから、白雪とは違う大学に行く事になっても、仕方ない事だ……。
それに、白雪だって夢を持ってるだろう。俺は、それを邪魔したくはない。
俺は、自分にそう言い聞かせていた。


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