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プリンセスナイト
【学園物 恋愛小説】

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プリンセスナイト-5

翌日。俺はいつもより早く学校に行った。教室に入ると、朝鳥が一人で座っていた。

「おはよう。」

静かに言う彼女に胸が弾む。どうやら相当惚れてるらしい。

「おはよう朝鳥。」
「私、今日は頑張るわ。」

握りこぶしを掲げてそう言う彼女。相当可愛い。

「俺も手伝うよ。」
「いいわよ。私に構わなくて。」
「君が好きだから。」

言ってしまった。たった一日で好きになって即コクるなんて。俺はバカか。しかし、後戻りは出来ない。

「…え?」

驚いたような表情の彼女。相当動揺してるっぽい。

「好きだ。付き合ってくれ。」

朝日の差し込む教室。向かい合わせで立つ二人きりの俺達。誰も見てない。誰も聴いていない空間で、1番簡単な、1番思いを込めた一言を放った。

「私も好き。」
「…え?」

期待していなかった言葉に、自分を疑う俺。
「前から好きだったの。勉強もスポーツも出来て、クラス中の女の子にちやほやされてて、自分の意見をしっかり言えば周りはみんな聞くのに、その権力を自分勝手に振り回さないところ。ずっと惚れてた。私の彼氏になってくれるなんて有り得ないと思ってた。完璧リーダーとイジメられっ子。反対すぎるでしょ。だから冷吾君からそんな言葉をもらえるなんて、凄く嬉しい。」

「じゃ…じゃあ…。」

彼女は照れ臭そうに髪をいじりながら言った。

「私の彼氏になってくれませんか?」

もちろん答えは一つ。

「喜んで。」


『おはよう〜。』

俺と朝鳥が彼氏と彼女になった瞬間、教室に生徒の波が流れ込む。
慌てて離れる俺達。

早速イジメが始まる。
『あれ〜なんで落書き消しちゃってるのぉ??』
『私達が書いたの消すなんて最低〜』

「あ、ユリちゃんマリちゃんおはよ〜。今日も頑張ろうね♪」

必死で明るく振る舞う彼女。

『あ、なんかコイツ今日おかしいぞ?』
「えへへ、おかしいでーっす!!面白いでしょ〜。」

無理をしてるのが分かった。目にはうっすら涙が浮かんでいる。朝鳥はもう充分頑張っている。なのに何故イジメをまだ続ける?
怒りが沸々と沸いて来て、我慢が限界に達した時。後ろで将大が呟いた。

「冷吾。ナイトになってこい。」

吹っ切れた。ずんずんと人混みに進んでいく。

『つか私達なんで落書き消したか聞いてんだけど〜、答えて?』

その問いに朝鳥が答えようとした時。代わりに俺が答えた。


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