仮想通貨-4
柳川が連行され、一時騒然とした行内であったが、ヒソヒソ話をする客はいるものの、徐々に収まって行った。それから支店長に事情を聞き、柳川のパソコンなどを押収し調べを終えると捜査員や刑事らは銀行を後にした。マギーと英恵も覆面パトカーに乗り県警本部へ戻る。
「私さー、ビッツコインがそんなに儲かるなんて思えないんだよねー。ちょっと前に始めてみたけど、上がったり下がったりするけど、結局少し損してるのかなー、ぐらいで。」
「華英は1万2万の話でしょ?例えば同じ1%の儲けでも華英は100円だけど、1億持ってる人は100万儲ける事になるじゃない?その人から見れば1%でも儲けてるってイメージになるじゃん。」
「そっかー。結局はたくさんビッツコイン持ってるか持ってないかかー。」
「そう言う事。それに儲けたい人が元金1万とかチビチビ投資しないでしょ?たいていの女子はお小遣いが増えたらいいなぐらいの軽い気持ちでやってるから、例え100円でも儲ければ幸せなのよ。あんたみたいに欲をかいてる人はたいした投資もしないで儲けが少ないってブーブー言うんでしょうけどね!」
「べ、別に欲とかかいてないしー!」
「ならいいんだけどーアハハ!」
「フーン!」
華英は顔を背けてしまった。
「さーて、柳川は何を吐くのかしらねー。」
マギーは腕を組みながらそう言った。
「REVOLUTORと関係あるのかな??」
「分からないけど、一連の事件とは何か関係はありそうだと思ってるわ?」
「え?REVOLUTORと関係があると踏んでの柳川逮捕じゃなかったの??」
「うーん、そうなんだけど、何か引っ掛かかるのよねー。まだ確証はないんだけど、佐川明子と小渕愛子を全裸で張り付けた犯人は違うような気がするのよねー。」
「え?何で??」
「うーん、何となく。」
「勘?」
「そう、勘。その確証を得るにはまだまだ佐川明子や小渕愛子がどんな人間なんだか知らなすぎる。高島謙也や高島広徳もそうだけど、もっとどんな人間なんだか知る必要があるわね。」
「…やる事いっぱいあるわねぇ。」
「そうね。華英は彼氏がいる訳でもないし時間いっぱいあるからたくさん捜査できるね!」
「!!マジムカつくー。」
「まー私も杉山くんいないし、華英に付き合ってあげられるから一緒に頑張ろうね♪」
「…ムカつく言い方だなー、もう!」
と言いながらどことなく嬉しそうな華英であった。