母と娘の奇妙な関係-1
覗き見られたことに、娘として怒るかと思ったが、芳恵は寂しそうにポツリとこぼしただけだった。
「お母さんも・・・オンナなのよね・・・」
それは、母娘だから、そして、同じオンナだからわかる、と言いたげなニュアンスが込められている。僕は何も言えなかった。
芳恵が気を取り直したように笑顔を見せた。髪を搔き上げ、口を寄せる。
「すごく良かったわ。まだまだシタイけど、もう戻るよ。また、抱いてね」
芳恵がキスをねだり、僕が応じた。
芳恵は布団の上に散らばった下着を掻き寄せ、パジャマを着ると、にこやかに笑う。
「ちゃんとパジャマ、着るのよ?着て寝るの。朝起きて真っ裸はダメよ?」
そう言い捨てて、ふらふらと立ち上がる。彼女は遥香の休む、自分の寝室に戻って行った。