テキスト・ブック-6
「あの部屋だ」
エクスカリバーが刺さっているハズの岩。それは真っ二つに割れ聖剣はなかった。
「クソッ!!」
そばの剣を抜き取る、この緊急事態に窃盗を取り締まろうという危篤な人間はいない。
いたとしても美術品を守ろうとしていたであろう警備員は死んでいた。
間違いなく危ない物がいる。長居はできない。
「なんなんだ!なんなんだよ!!」
拓哉は街へ急ぐ、バスはもう動かなかったし他になにもなかった。
あちこちから火の手が上がっている。
あちこちに死体がころがっている、まるで花が咲くように、つつましく、静かに。
「おえええ!!」
拓哉は地面につっぷしていた、涙が止めどなく溢れ、鼓動は高鳴っていた。
「サヤ!!無事でいてくれ!!頼む!」
この日常が嫌だった。退屈でしかたなかった。しかしこれは違う。
コンナコトハノゾンデハイナカッタ
街に着いた。剣奴はどうしたのだろう?広場には死体と半死の人間が転がっていた。それだけだった。
拓哉にあるのは剣と本、よくみると本にはなにかの名前が書いてあった、どこの国の言葉でもなかった。