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透明な炎
【女性向け 官能小説】

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「正真正銘、ココに住んでる」
「・・・」
「ココから会社に行って、ココに帰って来て、ココ以外の家はない」
「奥さんは?」
「ココには一人で住んでる」
「別居?」

武藤が別居したなんて話は聞いた事がないけど
それでも昔からプライベートをペラペラ話す奴じゃない。

「あのさ?」
「うん」
「俺、アメリカに転勤してたじゃん?」
「うん」

「その間に離婚したって誰かに聞いてない?」
「えっ!」

離婚?

「奥さん・・・いや、元奥さん、向こうの生活に耐えられなくてさ」
「・・・」
「日本に帰っていいよって別居を提案したけど、籍を抜きたいって言われた」

離婚?

「子供もいなかったしな。向こうのコミュニティーに馴染めなくて」

離婚?

「知らなかった・・・」
「だろーなっ!」

離婚・・・

「お前さ?俺が結婚してるのに、お前に手を出そうとしてると思ったんだ?」
「うん・・・」

「そりゃ、逃げるわな」
「・・・」

「おれ、独身だよ。バツイチだけど」

そう言って笑いながら両手を広げた。

「早く言ってよ」

そういいながら私はその腕の中に飛び込んだ。



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