詩織の体験-1
昼下がりの午後3時、合流した2人は、すぐに木曜日の緊縛について話をする。
『木曜日は、どんな感じだったんですか?』
と、興味津々の麻衣が聞く。
『緊縛時間は40分で、男性見学者もいるコースで、、』
『きゃぁ〜〜〜』
と、麻衣は興奮する。
『下着姿で緊縛なんだけど、一応、個人が特定されないように、目と鼻が隠れる仮面みたいなのをつけて縛られるの。』
『なるほど、顔が隠せるのなら、ふんぎりがつけやすいですね。』
『そうなの。それで、思い切って、やってみた。』
『やっぱり、濡れちゃうんですよね?』
『あのね、麻衣さんには軽蔑されるかもしれないけど、木曜日は、グレーのパンティをはいていったの。』
初めて見学に言った日、2人が見た下着姿で縛られていた女性が、グレーのパンティだったので、ぐっしょり濡れているのが分かった。
『縛られる前から、濡れるのは分かっていたし、でも、どこかに濡れているのを見られたいって思ってしまって・・・・私、変だよね?』
と、詩織が言う。
『ううん、私、その気持ち、分かります。』
と、麻衣が言う。
麻衣も、どこかで、自分の痴態を見られたいという願望が芽生えていた。
『実は、私も、いつかのために、と思って、グレーの下着を買ってあるんです。』
と、麻衣がうち明ける。
『うんうん、良かった、理解してもらえて。』
と、詩織が笑顔で言う。
そして、続けて、
『それでね、アリス先生が、“下着を脱いで縛られてみる?”って言うから・・・・』
と、言う。
『全部、脱いだんですか?』
『うん、もう止まらなかった。』
『凄い〜〜!』
『全裸で、足を広げた形で縛られて、吊されて、、、』
麻衣は、興味津々で、詩織の話を聞いている。
『顔はマスクで隠して、全裸を見られるって、何とも言えない気持ちになるの。』
『うんうん。』
『次、アリス先生は、いつ来るんでしょうかね?』
と、麻衣は言う。
しかし、なかなか緊縛教室の情報はなかった。
大阪まで出れば、土曜や日曜に、緊縛教室が開催されているところはある。
麻衣は、土曜と日曜は、裕哉のために空けておきたかった。
裕哉より性欲を優先することは、絶対にしない、と心に決めていた。
週末は、裕哉の仕事がない限り、一緒に過ごす。
たまに、大阪へ遊びに行ったり、琵琶湖で遊んだりして、楽しい日々を過ごしているうちに、徐々に緊縛の記憶が消えかかっていた。