アナルヴァージン喪失 (6)-4
過去の恥ずかしい話を聞かされながら、オーガズムに導かれてしまう妻。
ハァハァハァという荒い息遣い、湿ったキスの音、照れくさそうな笑い声――あぁ、ゆき。
「すぐイッちゃったよね。あのときのFくん」
「そりゃ美少女に突然あんなことされたら。ゆきって、あれが当たり前だと思ってたの?」
「うーん、ちょっと思ってた」
「それってやっぱり前の彼氏に仕込まれて……?」
「ふふふ……内緒」
前の彼氏であるサークルの先輩と、ゆきはいったいどんなセックスをしていたのだろう。別れてサークルをやめたくなるほどの「何か」があったその彼氏に、私の妻はいったいどんな性技を仕込まれてしまったのか。まだまだ「あどけない」とか「美少女」などと形容されてしまうほどの幼さを残していた当時の妻が、年上の男を喜ばせるため、懸命に肉体奉仕する姿が浮かぶ。ゆきのマゾっ気は、そこで開花したのかもしれない。
*
会話にひと区切りをつけた二人は、より濃密なセックスを楽しみ始めた。何度もオーガズムに達するゆき。聞きたくない言葉もたくさん聞こえてくる。
「Fくんの生チンポ大好き」「これからもずっとゆきのこと犯してください」「ゆきは一生Fくんにご奉仕します」「気持ちよくしてくれるお礼です」「ゆきの身体中すべての穴を使ってFくんにご奉仕させてください」「ゆきのお口もおまんこもお尻の穴も、ぜんぶFくんのものです」「Fくんの性処理にゆきの身体をいつでも自由にお使いください」
聞くに堪えない。人は性的快楽のためにここまで自らを貶め、堕ちることができるものなのか。しかし思えばこれは、今に始まったことではない。女子大生当時のゆきも、私が惚れた新人OLの「ゆきちゃん」も、裏ではこういうことをしていたのだ。つんとお澄ましした清楚な立ち居振る舞いの裏で、昔からゆきはこういう女だった。
*
年の瀬の日没は早い。すっかり薄暗くなった自宅のリビングで、私は照明をつける気力もなく呆けている。やがてここに、ゆきが帰ってくる。Fの性処理便所に成り果てた妻、夫ではない男の雌豚アナル奴隷に堕ちた妻――それでもいい。ゆき、早く帰ってきて。早く帰ってきて俺にもアナルセックスをさせて。
不倫相手の男に犯され、夫への裏切りの言葉を吐いているこの女の肛門に、夫の粗チンを突っ込み、物足りない思いをさせたい。アナルを押し拡げる圧迫感の圧倒的不足に困惑し、それでも感じるふり、恥じらうふり、幸せなふりをしてごまかすゆきの様子をじっくり観察したい。
散乱したティッシュの山が生臭い匂いを発する中、露出した下半身の中心だけが確かな意思を持ち、痛いほど屹立していた。