D高級レストラン-2
「イエ〜ィ!詩織さん本当ですよね。僕会った時から頭の中でずっと詩織さんの全裸を妄想していました。
その黒のワンピースが僕の妄想を助けてくれました。そのセクシーなワンピースは罪ですよ。」
「正直に言うけど私こんな高級な場所は初めてなの。貴婦人の様に振舞うのがマナーかと思って。」
「詩織さんは何を着ても貴婦人ですよ。そんなに気を遣わせるのなら居酒屋さんの方が良かったかな。」
笑いながら詩織の次の行動をじっと待った。
「ちょっと待って。そんなに熱い目で見られたら私脱げないわよ。」笑いながらも立ち上がった。
「駄目だわ。ワインをもう少し飲みましょうよ。」再びソファーに腰かけた。
二回目の酒宴が始まる。
先ほどとは違って男に全裸を晒すという前提に基づいた酒宴だ。
一気に立ち上がりボタンを外した。
が、そこから先へは進めない。
思えば詩織の人生で女として生きたのはわずか数年だ。
ある意味清楚な女の子のまま大人になったような部分もあった。
相手は高校生とはいえ一人前の男だ。
男の前で自ら脱いだのは夫以外にいない。
躊躇している詩織に田代が声を掛けた。
「もう。詩織さんて本当に清純なんですね。だからこそあなたのヌードは値打ちがあるんだけど。どうしても全裸が恥かしいんであれば下着は脱がなくてもいいですよ。」
女に熟練した田代の目は詩織が下着を着けていないのを見抜いていた。
その上での優しい言葉であったがそれが詩織の心に刺さった。
彼の望みを叶えて上げたいという気持ちが羞恥心を上回ったのだ。
薄生地のワンピースがふわりと床に落ちた。
静止画の様にその場が一瞬凍り付いた。
男と女はお互いの目をじっと見つめたまま動かなかった。